手元に名刺が増えてくると、どうやって管理すればいいか、悩んでしまう人も多いでしょう。
部署や役職に変更があってどちらが新しい名刺か分からなくなったり、必要なときに必要な名刺がすぐに出てこなかったり、業務効率も大きく阻害しやすいものです。
今回は、名刺管理サービス「sansan」を紹介します。
サービスの特徴やメリット・デメリットに加え、利用に向いている人のピックアップもしておりますので、参考にしてみてください。
引用:https://jp.sansan.com/products/sansan/
名刺管理サービス「sansan」は、sansan株式会社が提供するクラウド名刺管理ツールです。
幅広い領域で企業のDX化を促進する企業として有名であり、下記のようなさまざまなサービスを展開しています。
・クラウド請求書利用サービス「Bill One」
・セミナー管理システム「sansan seminar manager」
なかでも名刺管理サービスおよびオンライン名刺作成サービス「sansan」は、中小企業から大企業まで利用する大手サービスとして成長してきました。
企業を取り巻く経営課題の解決を後押しする、画期的サービスであることが分かります。
まずは、「sansan」ならではの特徴を解説します。
サービス概要を知るためにも、目を通してみましょう。
数名規模の零細・中小企業から、誰もが知る大手企業まで、幅広く活用されているサービスです。
導入実績は既に7,000社を突破し、多くの実績を誇るサービスだと言えるでしょう。
また、グローバル企業や外資系企業での利用も多く、今後更なるDX化に貢献していきそうです。
「sansan」には、ただ名刺情報を管理するだけでなく、マーケティングに役立つ機能も搭載されています。
・人事異動情報
・最新ニュース
・タグ付け
・面談アラート機能
などが搭載されているため、より効果的なタイミングで顧客アプローチがしやすくなるでしょう。
話題がホットなうちにアクションを起こせれば、顧客開拓やリピート獲得に役立つ可能性も高まります。
名刺管理をすることでマーケテイングに役立てたい場合には、おすすめのツールだと言えるでしょう。
「sansan」は、下記の11ヶ国語に対応しています。
・日本語
・英語
・中国語
・韓国語
・フランス語
・スペイン語
・ドイツ語
・ポルトガル語
・インドネシア語
・ベトナム語
海外とのやり取りが多い企業や、今後海外進出を検討している成長企業にとっては、大きな助けとなるでしょう。
グローバル企業にとっては、対応言語の幅を見ておくこともポイントとなりそうです。
ここでは、「sansan」利用のメリットを紹介します。
自社が抱えている課題とどの程度マッチしているか見極め、利用を検討していきましょう。
名刺に記載されている情報はもちろん、それ以外の顧客データも同時に管理できます。
例えば、下記のような項目を追加することが可能です。
・以前の部署・役職
・面会・メール・電話などの接触履歴
・顔写真
・SNSアカウント
・前職企業名
・出身校
・趣味・特技
・フリーメモ
相手の情報をトータル管理しやすく、名刺に書かれていない情報も含めて記録できるのです。
そのため、会話のきっかけを掴んだり、営業シーンにおける雑談に役立てることができるでしょう。
「sansan」は、専用スキャナで読み取った名刺の情報を、AIとオペレーターがデータ化してくれます。
ほとんどはAIによる自動入力がされるため、十分なスピードを担保できます。
そのうえ、オペレーターによる手入力も兼ね備えており、AIが拾いきれない細かな情報や万が一のミス修正に対応し、高い精度を誇るようになりました。
自社によるダブルチェックが必要ないため、負担を大きく軽減できるでしょう。
「sansan」は、名刺管理専用アプリの提供もおこなっています。
そのため、スマートフォンやタブレットにアプリをインストールしておけば、外出先でも名刺情報の参照が可能です。
モバイルワークの多い営業社員や、在宅勤務の多いテレワーク社員がいる場合は、特に相性がよいでしょう。
毎回オフィスに電話して情報を参照するなどの手間も、大幅に省けます。
業務効率改善に役立てたい企業にとっては、メリットの高いツールです。
反対に、「sansan」のデメリットについても解説します。
メリットだけでなくデメリットについても知り、ミスマッチのない利用を叶えていきましょう。
「sansan」では、名刺をスキャナで読み込んで以降のデータ化については、AIとオペレーターが自動で実行してくれます。
しかし、スキャナでの読み取り自体は自社内でおこなう必要があるため、注意しておきましょう。
そのため、既に数百~数千枚単位の名刺が手元にある場合は、読み取るだけでも膨大な時間がかかる可能性があります。
「sansan」の名刺スキャナは、100枚あたり約5分で読み取り可能です。
どれくらいの工数が必要になるか正確に計算し、繁忙期を避けて実行することが大切です。
名刺に記載されていない情報については、都度手作業で更新していく必要があります。
例えば、前回商談をしたタイミングや、話すうちに知り得た趣味や特技などの情報は、自分で入力しなければいけません。
情報が更新されていない場合、却って話に齟齬が生じたり、古い情報のまま話を進めて不信感につながったりするケースもあるでしょう。
あくまでも「更新しながら使っていくツール」であることを理解し、月次業務の一環としてメンテナンスをしていく必要がありそうです。
「sansan」には、ライトプラン・スタンダードプラン・DXプランの3種類が存在します。
どのプランについても料金体制は公開されておらず、見積依頼書を提示して計算してもらう方法であるため、事前相談が欠かせません。
具体的にかかる費用の項目として、下記が挙げられます。
・初期費用
・運用支援費用
・ライセンス費用(月額)
・sansanスキャナ(月額)
・その他オプション
ライセンス費用とスキャナ代は毎月月額で課金されるため、固定費として計算しておく必要があります。
自社が月額制を検討しているのであれば問題ありませんが、単発のみを想定している場合は、注意が必要です。
既に別で顧客管理システムを導入している場合、名刺管理システムとの連携がカギとなります。
どちらか一方でもデータが相違している場合、どちらが最新の情報か分からなくなり、現場に混乱を与えてしまうでしょう。
そのため、名刺をひとついただくだけで複数システムの更新をしなければいけないなど、却って手間が生じるリスクがあります。
「sansan」でも、Salesforceなど代表的なツールとの連携機能は備えています。
自社が使用中のツールと連携できるか調べ、問題ないことを確認してから導入することをおすすめします。
次に、「sansan」の利用に向いている企業を紹介します。
どんな企業が活用しているのかを知り、業務に役立てていきましょう。
ひとりの担当者を長い付き合いをする企業であれば、「sansan」の利用がおすすめです。
会社単位ではなく担当者単位での細かな情報管理がしやすく、商談の度に情報を追加できるため、より密なコミュニケーションをしやすくなるでしょう。
コミュニケーション時の印象が会社の収益を左右しやすい営業職やマーケティング職とも、相性がよいと分かります。
社員に多種多様な働き方を認めている企業では、時に社内情報共有が課題になります。
「sansan」には社員同士の顧客情報共有を助ける機能が豊富に搭載されており、働き方に捉われることなく情報の参照が叶います。
特に、下記のような社員が多い場合は、導入を検討してみてよいでしょう。
・客先常駐が多い、エンジニアやコンサルタントなどの専門職社員
・クライアント訪問が多く、帰社する機会が少ない営業職社員
・テレワーク・在宅勤務などで出社機会が少ない社員
・子育て・介護・体調不良を理由とする時短勤務取得社員
・複数オフィスを渡り歩く経営者・エリア管理マネージャー
また、バーチャルオフィスやサテライトオフィス勤務など、オフィスをもたない会社とも高い相性を発揮します。
紙ベースでの管理から開放され、パソコンもしくはスマートフォンアプリでの管理に一元化しやすくなるでしょう。
反対に、「sansan」の利用に向いていない企業もリストアップします。
自社に当てはまる項目があれば、利用は慎重に判断した方がよいでしょう。
「sansan」は多機能かつ高性能な名刺管理ツールです。
そのため、学歴・職歴・趣味・特技含む顧客情報の詳細な管理や、マーケティングに役立つ面談記録管理をしたい場合には、非常におすすめだと言えるでしょう。
しかし、シンプルかつ分かりやすい機能を求めている企業には、ミスマッチとなる可能性が高いです。
また、定期的な情報更新に必要なメンテナンス期間を設ける必要もあるため、自社がその期間を十分に用意できるか検討しておく必要もありそうです。
名刺情報のデータ化だけできればいい、という場合は他サービスの利用をおすすめします。
名刺に記載されている情報はある程度限定されており、ポイントを絞ってデータ化することも可能です。
特に、下記のような項目だけデータ化できればいい場合、「sansan」以外でも十分対応可能です。
・名前
・企業名
・役職名
・郵便番号
・オフィス住所
・固定電話番号
・携帯電話番号
・FAX番号
・メールアドレス
・会社URL
これだけであれば、比較的安価にデータ化してくれるサービスは複数あります。
必要なときに必要な分だけ依頼したい企業とも、相性がよいでしょう。
月額固定費を支払う必要性をよく見極め、判断していくことをおすすめします。
「sansan」の場合、名刺を1枚ずつスキャンする手間は避けられません。
そのため、ある程度の手間と工数は覚悟しておく必要があるでしょう。
データ化にかかる自社負担を極限まで削減したい場合は、名刺ごと渡してデータ化してくれるサービスを選定することをおすすめします。
段ボールやファイルに入れた名刺を渡せばそのままデータ化して返却してくれるため、最も楽な方法です。
とにかく短期間かつ手間要らずで実行したい場合は、別のサービスに相談してみましょう。
名刺管理専門の部署や担当者を十分に配置できない場合、多機能な「sansan」を持て余してしまう可能性があります。
メンテナンス不足が生じて古い情報のままになったり、スキャンする時間がないまま名刺が積もっていたり、業務上のロスも生じやすくなるでしょう。
導入初期だけでなく、長期的な目でランニングしやすいツールであるかを見抜き、自社の性質に合わせてサービス選定していくことが肝心です。
「sansan」は、名刺管理サービスで多くのシェアを獲得するツールです。
中小企業から大企業まで7,000社を超える会社に利用されており、今後さらに企業のDX化を促進するツールになるでしょう。
定期的なメンテナンスができる会社や、マーケティングに役立つ顧客管理をしたい企業とは、非常に相性がよいとされています。
一方で、シンプルかつ分かりやすい機能を求める企業や、最低限の情報だけ安価にデータ化したい企業にとっては、オーバーサービスとなるリスクが生じます。
必要な情報だけデータ化したい場合は、名刺データ化の外注サービスを利用するなどして、コストパフォーマンスを重視していくことをおすすめします。