手元に大量の名刺があると、連絡を取りたい人の名刺を探すだけでも一苦労になってしまいます。
なるべくデータ化したいと考えていても、整理整頓の時間が取れず、そのままになっている人も多いのではないでしょうか。
今回は、業種・職種を限定せず幅広い企業に活用されている「名刺入力代行業者」を紹介します。
サービスの特徴に触れながら、業者を選ぶときの確認事項・注意点についても触れますので、参考にしてみてください。
名刺入力代行とは、手元にある名刺を預かり、記載情報を全てデータ化した状態で納品してくれるサービス及び業者のことを指します。
・手元に名刺が増えすぎて、整理整頓に時間がかかっている
・必要なときに必要な名刺がすぐに出てこない
・名刺ファイルだけでもかなりの保管スペースが取られている
という悩みから生まれたサービスであり、名刺保管にまつわるさまざまな課題を解決してきました。
名刺管理アプリや名刺用スキャナなど他の手段があるなかで、「全て丸任せできる」ことが人気の理由となっているサービスです。
名刺入力代行は、業種・職種を選ばずさまざまな企業に活用されています。
ここでは実際に名刺入力代行を利用している企業の一例を紹介しますので、参考にしていきましょう。
展示会・販売会・即売会では、1日で大量の企業と名刺交換することも少なくありません。
帰社してから整理しようにも時間を確保できず、そのままファイリングするだけで終わっていることも多いのではないでしょうか。
展示会から始まった取引なども多いことを考えれば、早いうちにデータ化し、お礼や感想の連絡をすることが不可欠です。
ビジネスチャンスを逃さない重要な分岐点になる可能性もあるため、早期の段階で名刺のデータ化は済ませておきましょう。
企業が急成長中の場合、取引先が一気に拡大します。
その分会議や交渉の場が増え、手元の名刺枚数がどんどん増えていくでしょう。
これまで通りの名刺管理方法が通用しなくなるタイミングでもあり、秘書や庶務の力を借りてもパンクするケースも耳にします。
嬉しい悲鳴ではあるものの、きちんと管理しておかないと自社への不信感につながる可能性もあるでしょう。
商品やサービスの質以外で要らぬトラブルを呼ばないためにも、早めに名刺のデータ化に踏み切ることが大切です。
経営層が渉外や外部交流の力を入れている場合も、名刺交換の機会が多くなります。
ジネスセミナー、異業種交流会、情報交換会、各種イベントなどに参加するシーンも多く、月に100枚以上の名刺を持ち帰る人もいます。
また、こうした会社は経営層だけでなくマネジメント層や新入社員も積極的に外部に出ていく傾向があります。
社内にある名刺をトータルして考えると膨大な量になる可能性もあるため、早めにデータ化しておくとよいでしょう。
営業に力を入れていて、社内の大半が営業職であるという企業も、名刺のデータ化が急務です。
とにかく多くのクライアントと接点を持つことが重要である職種だからこそ名刺が溜まりやすくなるでしょう。
また、いつが最終コンタクトとなったのか、先方担当者の悩みや趣味・嗜好が何なのかを知るためにも、顧客リストがあると便利です。
名刺データに上記のような情報を紐づければ営業リストとしても活用できるため、データ化を検討していきましょう。
定期的に人事異動がある場合、その度に引継ぎが生じます。
名刺ファイルを丸ごと置いていけば対応できる場合もありますが、クライアントの性質や対応業務の内容によって引き継ぐものと異動先でも対応するものとに分かれ、整理するだけでも相当な時間がかかってしまいます。
名刺のデータ化が既に済んでいれば、欲しい情報だけ参照しながら活用しやすくなるでしょう。
「このファイルを見ておけば自分が引継ぎ挨拶すべき相手が分かる」と可視化するきっかけにもなり、業務の抜け・漏れを防ぎます。
働き方が多様化すると共に、テレワークやサテライトオフィス勤務を導入する企業が増えてきました。
メリットが多い働き方ではありますが、オフィスにしか名刺がなくクライアントの連絡先が分からなかったり、緊急で連絡したいときに対応しきれなかったりするシーンもあるでしょう。
名刺データをクラウド上に保存したり、データ化した内容を顧客管理システムと連携したりすれば、場所や時間帯を選ばず自由に内容を閲覧できます。
都心のオフィスと地方のオフィスで同じ内容を見ることもでき、社内情報格差の改善にも貢献するでしょう。
ここからは、名刺入力代行の特サービス概要や特徴を紹介します。
概要を知っておくことで他の名刺整理方法と比較しやすくなるため、目を通していきましょう。
名刺入力代行の強みは、名刺に記載されている内容を漏らさずデータ化してくれる点にあります。
・名前
・会社名
・部署名
・役職名
・郵便番号
・住所
・電話番号
・FAX番号
・携帯電話番号
・メールアドレス
・URL
などを全て一覧データにしてくれるため、情報を参照しやすくなります。
また、上記の項目が全て1ヵ所にまとまっていれば、社内での情報共有にも役立てられます。
全ての項目を手入力でデータ化すると相当な作業量が必要であるため、量が多いときほど外注することをおすすめします。
名刺入力代行では、数千枚など大量の名刺であってもデータ化できます。
社内でコツコツとExcelに入力したり、名刺アプリや名刺スキャナを用いてデータ化したりすることも可能ですが、ボリュームによっては大きな負担になるでしょう。
場合によっては本業の仕事に影響が出たり、やむを得ず途中で放棄したりすることもあり得ます。
既に大量の名刺があって困っている人や、ファイリングもできず乱雑に溜まってしまっている人などにおすすめのサービスです。
また、日常的に展示会や交流会に参加する機会があり、少し間を空けるだけで名刺が溜まりがちな企業にも向いています。
細かな内容は業者によって異なりますが、名刺入力代行では下記のようなオプションが用意されています。
・データ化が完了した名刺の溶解処理
・同一人物の名刺を調べる重複チェック
・ホチキスや付箋外し
・住所表記の統一
・郵便番号の付加
・宛名ラベルの印字
・ダイレクトメールの発送
など、ときには名刺入力以外の業務まで請け負ってくれる場合もあります。
どこまで対応してもらうか自由に選択できるため、自社のニーズに細かく答えてもらうことができるでしょう。
また、オプション制のため余計なコストをかけずに済み、必要最小限の金額で依頼できることもメリットです。
次に、名刺入力代行を依頼する業者を選定する際に、確認しておきたい項目を紹介します。
比較・検討のヒントとなるため、事前にチェックしておきましょう。
まずは、どれくらいの費用がかかるのか、コストを算出することがおすすめです。
名刺1枚あたり何円でデータ化してくれるのか、最小(もしくは最大)の依頼枚数があるか、確認しておきましょう。
基本の単価を知っておけば底値も理解しやすくなり、相場感を掴むうえで便利です。
大体の相場が分かれば社内稟議を通しやすくなり、予算を確保しやすくなる効果も期待できます。
納品までの日数を確認し、自社が希望する日付までに完了しそうか確認します。
特に急ぎでデータがほしい場合や、繁忙期前などに合わせて発注したい場合には、必ずチェックしたい項目です。
手元に名刺がない状態が長期間続くのであれば、現在継続して取引がある人の名刺だけでもコピーを取っておくとよいでしょう。
「預けている間、誰も連絡先を把握できなくて困ってしまった」ということのないよう、十分な対策が必要です。
どんなオプションがあるかチェックし、自社が希望するものを選定していきます。
場合によっては基本入力項目がパッケージ化されており、会社公式HPのURLやメールアドレスをデータ化する場合はオプション扱いになっている業者もあります。
なるべくコストを削減したい場合は、重複している名刺だけでも自社ないでチェックしたり、ホチキスや付箋など要らないものを外したりしておくのがよいでしょう。
また、納期に余裕を持って依頼しておけば、特急料金などをかけずに済むケースもあります。
名刺を直接郵送するのか、会社まで取りに来てくれるのか、PDFなどのデータで共有するのか、名刺の提出方法を確認します。
PDF化が必要な場合、大量の名刺があるとスキャンだけでも大きな時間がかかるため、注意しましょう。
また、郵送の費用が基本料金に含まれているか、自社で負担する必要があるかなど、細かいポイントも比較の材料となります。
データの納品形式を確認しておきましょう。
ほとんどの場合Excel形式ですが、Word・PDF・テキスト形式などでの納品を希望する場合は、事前のチェックが必要です。
また、CD-Rなどでの納品なのか、メール添付での納品なのかも確認したいポイントです。
納品フォーマットを自社側で指定してほしい場合、事前相談が必要です。
特にCSV形式にして顧客管理システムと連携したい場合や、スマートフォン用アプリに連携させて社用携帯の電話帳と同期させたい場合など、納品フォーマットが重要なシーンでは必ず確認しておきましょう。
万が一対応できなくとも、フォーマットによっては自社で少し手を加えるだけで連携しやすい場合もあります。
不安であれば、業者側が使用しているフォーマットを事前にチェックさせてもらうことも視野に入れておきましょう。
万が一輸送中の事故・紛失が起きた場合、補償があるかを確認します。
溶解処理を依頼するときは、溶解証明書を取得してもらえるかなどの点もチェックしたいポイントです。
不安な場合は、書留など補償がある郵送手段を使うのもひとつの手段です。
リスクやデメリットも承知したうえで、後悔のない依頼を叶えましょう。
最後に、名刺入力代行を依頼する業者を選定する際に、注意しておきたい項目を紹介します。
依頼した後になってミスマッチに気づくことのないよう、慎重な業者選びが大切です。
名刺は、取引先の情報が多様に含まれている重要なアイテムです。
プライベート用の携帯電話番号や自宅兼オフィスの住所が載っていることも考えると、個人情報の扱いに長けている業者を選定する必要があるでしょう。
依頼の際には、紛失・破損・汚損などが起きないか、不正アクセスにより情報が漏洩しないか、しっかり確認しておくことをおすすめします。
また、プライバシーポリシー(個人情報保護方針)をチェックし、品質を重視することも大切です。
ミスや抜け・漏れがある状態で納品されてしまった場合、内容の確認や修正に大きな手間がかかってしまいます。
納品チェック体制がある企業であればこのようなトラブルを避けやすくなるため、どんなリスク管理をしているのか確認してみるのがよいでしょう。
ダブルチェック、トリプルチェックをしている業者であれば、より信頼度が上がります。
また、別担当者によるデータの2回打ちをして相違をチェックする「ベリファイ入力」に対応している業者もあるため、入力精度を重視したい場合は調べてみましょう。
名刺入力代行は、名刺の管理や顧客管理の方法に悩む企業にとって大きな助けとなるサービスです。
手間を削減しながら高い効果を得やすく、コストパフォーマンスを重視したい企業の多くが活用しています。
依頼の際には、セキュリティ対策や納品チェック体制の充実度合いにも気を配り、自社に合った業者を選定していきましょう。
コストと納期のバランスが取れていれば、期待以上の効果が得られるかもしれません。