エクセルは関数入力を行って経理ツールとして利用したり、テンプレートを作成して書類のフォーマットとして活用したりと自由度が高いソフトとして多くの企業に利用されています。
エクセルを使うことで名刺のデータ管理もでき、必要な名刺情報を一つのエクセルファイルに集約できる点が魅力です。
しかし、エクセルでの名刺データ管理にはメリットもあれば、気を付けたい注意点が存在します。
今回はエクセルを使った名刺のデータ管理はどのように行うべきなのか紹介をしていきますので、ぜひ参考にしてください。
エクセルは多くのパソコンに標準搭載行われている上に、なじみの深いファイルですが、名刺管理をエクセルで行いたい場合は下記の3つの方法が挙げられます。
・フォーマットを自作して保管
・テンプレートを利用する
・名刺アプリを活用
それぞれの方法について細かく解説を行っていきますので、参考にしてみてください。
冒頭でも触れたように、エクセルは自由度が高い点が最大の魅力であり、自分好み・自社の管理方法に合わせたフォーマット作成ができます。
自作で行う場合は簡単な物から少しこだわったものまで作れるため、使いやすさに長けている点が魅力です。
ただし、フォーマットを自作する場合はそのまま氏名や会社名・電話番号などを入力するだけでも大丈夫ですが、凝ったものを作りたい場合は知識が必要です。
さらに手入力になるため、ミスがないように正確に名刺を登録していくことが大切になります。
自分自身で制作をしたい場合に入れるべき内容は下記の項目です。
・氏名
・会社名
・役職
・住所<
・電話番号
・メールアドレス
・ホームページ
・SNS
・どこで出会ったか
基本情報を登録するほか、どこで出会ったのか、どのようなアプローチを行ったのかなどを合わせて登録を行うことで営業支援システムや顧客管理システムとして利用できます。
他にも、エクセルファイルで作られたテンプレートがWeb上でも存在します。
無料で利用できるタイプも多く、既存のテンプレートをそのまま使ったり、自分好みにカスタマイズを行って使ったりすることも可能です。
テンプレートは楽に活用できるため、多くの人におすすめです。
エクセルで管理を行いたい場合はエクセルに対応した名刺アプリを活用するという方法もおすすめになります。
名刺アプリでは、名刺の撮影をスマホで行い、文字を読み取って名刺の情報を保管可能です。
さらに、名刺アプリによってはエクセルへエクスポートできるタイプがあり、名刺を入力する手間なく読み取ってエクセルでの管理ができます。
名刺アプリでも無料で利用可能なものも多いため、名刺アプリを活用して管理を行うのもおすすめです。
名刺を保管する場合は多くのメリットが存在します。
エクセル以外にもクラウドサービスや専用ソフトを利用して名刺の管理が可能ですが、エクセルだからこそのメリットがあるため、エクセルでの管理を考えている人はチェックしてみてください。
エクセルはパソコンがあればオフライン環境でも管理ができ、データさえUSBに登録をしておけば外出先のインターネット環境がない場所でも使用できます。
近年の名刺管理アプリや専用ソフトはオンライン環境を前提としてものが多いため、外出先では使えないものも少なくありません。
オフライン環境でも名刺情報の確認が行いたいと考えている場合はエクセルで名刺管理を行うようにしましょう。
さらに、エクセルの大きな魅力としては名刺登録に関する制限がないという点です。
内容を入れるほど容量は少しだけ重くなりますが、登録制限がないため、1,000件や10,000件以上の名刺が管理できます。
名刺管理アプリでは登録件数100件までなど、登録可能件数の上限が存在するため、登録したくでも利用できないというケースも少なくありません。
管理ソフトの場合は再度購入する必要があり、費用の負担がかかってしまうということも多いです。
登録件数の制限なく使えるという点は多くの人におすすめのメリットになります。
名刺のデータをエクセルで管理するメリットでは他にも費用が掛からないという点も挙げられます。
エクセルは標準搭載されていることが多いとともに、課金の必要なく使用可能です。
名刺アプリやソフトによっては有料タイプがあり、便利であるものの毎月費用を負担する必要があります。
中には名刺アプリで登録件数の上限に到達してしまったため、追加の容量を確保するためにさらに課金が必要になるというケースも多いです。
エクセルで管理を行う場合は費用の負担がかからず、大量の件数を保存できるという点が大きな強みになります。
他にもエクセルでは、パソコンのCtrl+Fボタンを押すことによって検索機能を使用できるため、探したい会社名や氏名・電話番号を入力することによって目的の人の名刺情報を表示できます。
検索機能が使いやすいほか、関数の登録を行っておくことによって目的の順番で表示させることも可能です。
使いやすいという点からも多くの人・企業に選ばれています。
エクセルを活用した保存は多くのメリットがありますが、他の名刺管理アプリや専用ソフトと比べて気を付けるべき注意点があります。
どのような点に気を付けて注意を行うべきなのか解説を行っていきますので、エクセルでの管理を考えている人は参考にしてみてください。
GoogleスプレッドシートやGoogleドキュメント、クラウドサービスはオンライン環境で使用できるため、複数人数で同時編集ができます。
しかし、エクセルの場合は同時編集ができないため、最新の名刺情報が欲しい場合は使用している人が保存をした上で開くことが必要です。
随時編集を行う場合は同時編集ができないという点を把握した上でエクセルでの管理を行うようにしましょう。
エクセルで名刺のデータ管理を行う場合は、名刺管理アプリを利用すれば高精度な管理ができますが、手入力で登録を行う人も少なくありません。
手入力の場合は大量に登録を行う際に、どうしてもミスが出てしまうことも多いです。
仮に、相手先の氏名や会社名・役職が正しく入力したつもりであっても、間違っていた場合、その情報を持ったまま相手とやり取りをしてしまうため、失礼に当たってしまうことも。
失礼な行動を与えてしまったことから悪い印象を与えてしまい、取引がなくなってしまうというケースも少なくないため、登録を行う際には慎重に行うことが必須です。
エクセルはオフライン環境でも名刺管理ができるという強みがありますが、外出先ではセキュリティに守られていないため、周りから見られてしまう可能性があります。
最悪のケースでは、USBにデータを管理している場合、席を外している際にUSBが盗まれて情報漏洩につながってしまう危険性もゼロではありません。
他にも外出先で席の後ろ側から覗かれ、情報が漏れてしまうという可能性もあります。
セキュリティ面もしっかりと対策を行っておくことが大切です。
次は自作のフォーマットを利用して名刺のデータを管理したい場合に意識するべきポイントについて解説をしていきます。
これから自作でフォーマットを作成しようと考えている人は参考にしてみてください。
まずはフォーマットを作る際にはどのような項目を入れるのかを決めましょう。
会社や人によって名刺の使い方は異なり、名前や会社名が知りたいだけの場合もあれば、具体的にどこの部署でどこの担当を行っているのか、ホームページやSNSを覚えたいなどがあります。
どのようにして名刺を使いたいのかを考えて入力する項目を決めるようにしましょう。
入力する項目が決まった後は行や列の設定を行うようにしましょう。
行や列を変えるだけでもレイアウトが異なり、使い勝手も異なります。
さらに、使い勝手を良くするため、名刺の管理枚数が多い場合は行の固定機能を利用すると使い勝手も良いです。
行の固定を行う場合は「レイアウト」「ウインドウ枠の固定」「先頭行の固定」の順番で設定を行うと行の固定ができます。
さらに自作のフォーマットで名刺のデータを管理したいと考える場合は、入力シートを分けるのも一つの手段です。
エクセルは多くの方がご存じのように、入力シートを複数作ることが可能で、会社別やジャンル別に分けることができます。
入力用のシートを作ることにより、入力した内容が別のシートに反映され、様々な情報が混ざってしまう状況を防ぐことが可能です。
入力用シートと目的のセルをリンクするように関数の設定を行うようにしましょう。
自作のフォーマットで名刺データの管理を行う人もいますが、エクセルに出力できるおすすめの名刺管理アプリを6選紹介します。
名刺管理アプリと併せて使うことによって、手入力によるミスをなくせるほか、入力作業の負担を大幅に減らすことが可能です。
エクセルで管理をしたいと考えている人はチェックしましょう。
my BridgeはLINE株式会社が提供している名刺管理アプリで、スマホで撮影を行うことによって文字認識技術と人による手作業によって名刺のデータ化が行われます。
エクセルのファイルでダウンロードできるだけでなく、Googleの連絡帳に保存することも可能です。
他にもオンライン名刺機能が備わっており、相手にURLを送付することによって簡単に名刺情報を届けられます。
名刺のデータ化やエクセルファイルでの保存・着信時に発信者の情報を表示する機能などは全て無料で利用できるため、名刺データの管理コストを最小限に抑えたいと考えている人にもおすすめです。
連絡先の共有も簡単にできるため、ビジネスシーンでも活躍してくれるおすすめアプリです。
LINEアカウントを利用している人はmy Bridgeのアプリを利用しながらエクセルで名刺のデータを管理してみましょう。
Eightも名刺を撮影するだけでAIと手入力を組み合わせた技術によってデータ化されるアプリです。
素早くデータ化ができるため、その場で取引相手の情報を会社に残せます。
さらにURLやQRを相手に送るだけで名刺交換もできるため、オンライン上で名刺交換をしたいと考えている場合におすすめです。
Eightでもエクセルへのエクスポート機能が備わっており、帰社してからエクセルデータに移して保管ができます。
他にも相手が転職した場合や昇進した場合などの名刺情報に変更がある際には、通知が届くような設定も可能です。
ただし、名刺のデータをダウンロードしたい場合はEightのプレミアムコース(月額480円)に登録する必要があるため、毎月少額のコストが必要と考えておくようにしましょう。
名刺バンクは従量課金制のアプリですが、個人から法人まで幅広く利用されているアプリです。
クラウド上で名刺のデータを管理できるほか、パソコンだけでなくスマホやタブレットなどのあらゆる端末から確認ができます。
さらに他の名刺管理アプリとは異なり、名刺のデータに基づいた人物相関図の作成も可能です。
そのため、後から確認した際にも誰が誰とどのようにつながっているのかを把握した状態で次のアクションが行えます。
名刺のデータもエクセルに出力できるほか、枚数の登録制限がないため、多くの名刺を登録・管理をしたいと考えている場合におすすめです。
クラウド上に保存されている名刺のデータも高いセキュリティ対策で守られているため、情報漏洩のリスクを最小限に抑えることができます。
名刺ファイリングCLOUDは基本料金0円で利用できる名刺管理サービスです。
エクセルファイルに出力できるほか、入力した名刺を瞬時にデータ化してくれる上に、名刺情報を活かした電話発信・メール発信・地図検索ができます。
営業効率が上がりやすいサービスになるため、営業支援システムとして使う企業も少なくありません。
さらに、登録した名刺データは一元管理ができるほか、社内で情報共有もできます。
エクセルファイルを定期的なバックアップとして保存しながらアプリでデータの活用ができるため、万が一の出来事があった際にも対応可能です。
基本的に名刺は100件まで登録可能ですが、1,000件まで保存したい場合は年間2,400円(税抜)の有料サービスを登録する必要があります。
100件程度の名刺管理を行いたいと考えている人におすすめです。
WANTEDLY PEOPLEは東京に本社がある、ウォンテッドリー株式会社が提供している名刺管理アプリです。
スマホ向けのアプリがあるだけでなくパソコンのブラウザでも確認ができます。
連絡先をエクセルファイルとして出力できるため、外出先でも確認が可能です。
スキャンした名刺も細かく分別が可能である上に、検索機能が付いているため、スムーズに目的の名刺情報をチェックできます。
名刺データを登録している人から電話がかかってきた際にも、自動で登録した名刺情報の表示を行うため、便利と人気です。
SmartViscaは多くの企業が利用している顧客管理システム「セールスフォース」と一体型になっている名刺管理システムです。
名刺を簡単にデータ化できるとともに、エクセルファイルによるデータのダウンロードもできます。
システムを利用することで、名刺情報を閲覧できるだけでなく、閲覧権限の設定やユーザー管理ができるため、必要な人だけが確認できるような設定も可能です。
OCR(文字認識)やオペレーターによる手入力によってデータ化が行われるため、高い精度の名刺登録ができます。
他にも名刺が大量にある場合は写真撮影での読み込みではなく、スキャナーによる名刺の読み込み・データ化もできるため、大量に名刺が残っているという人にもおすすめです。
名刺のデータをエクセルで管理する場合は、既存のテンプレートを活用する・自作のフォーマットを使う・名刺管理アプリから出力する3つの方法が挙げられます。
中でも名刺管理アプリと併せて使うのはおすすめで、名刺管理アプリの機能を使いながらバックアップとしてエクセルファイルで名刺情報の管理ができます。
バックアップとして取得したエクセルもオフライン環境で確認できるため、自宅に持ち帰って相関図や営業情報を入力し、より有効活用することも可能です。
エクセルでの名刺データの管理は自由度が高いカスタマイズ性や利用のしやすさが魅力となりますので、注意点を意識しながら名刺のデータをエクセルで管理してみてください。