オフィスや自宅にスキャナーがないとき、コンビニを活用する人は多いでしょう。しかし、1枚ずつの読み取りしかできない点や、長時間滞在しづらい点がネックとなり、より使い勝手のよいサービスを求める声も少なくありません。
今回は、ビジネスセンターである「キンコーズ」を紹介します。
業務用スキャナーを多数設置しているため、スキャニングはもちろん大量のコピーや自動ホチキス留めも可能です。
他にも便利な使い方がたくさんありますので、チェックしていきましょう。
キンコーズとは、キンコーズ・ジャパン株式会社が運営するビジネスセンターです。
オンデマンドプリンティングビジネスとも呼ばれるサービス形態であり、ビジネスに必要なありとあらゆる印刷・製本・紙面加工を提供しています。
首都圏・東北・北陸・中京・関西地区に多数出店しており、特にサラリーマンが多く行き交うビジネス街やターミナルステーションでよく見かけられます。
ここでは、キンコーズでできることを紹介します。
ビジネスセンターの使用経験がない人や、スキャニング以外にもできることを探りたい人は、ぜひチェックしてみてください。
代表的な用途として、スキャニングが挙げられます。 オフィスでかさばる大量の書類をデータ化し、PDFファイルとしてまとめることが可能です。
取り扱いサイズはB5~A3となっていますが、これを超えるサイズの大判図面・ポスター・掲示物のスキャニングもできます。
一般的なオフィスにはスキャナーがないB3~A0サイズのアイテムをスキャニングしたいときは、ぜひ相談してみましょう。
また、保存方法も多岐に渡ります。 持ち込んだUSBに保管することも、CD-Rに格納してもらうことも、クラウドサービスにアクセスしてインターネット上に保存することもでき、用途に併せて使いやすいサービスだと言えるでしょう。
解像度なども都度自由に設定できるため、写真などクオリティ重視でスキャニングしたいときにもおすすめです。
書類のコピーやプリントも可能です。
出先で急遽印刷が必要なとき、パッと立ち寄って印刷できることが強みだと言えるでしょう。
コンビニやスーパーにも印刷機能つきの複合機がありますが、自前のパソコンを広げるスペースがなく、作業しづらいことが多いです。
キンコーズは軽作業ができるスペースやレンタルパソコンが用意されているため、仕事をしているビジネスマンも多く、周りの迷惑にならず利用できます。
また、大量のコピー・プリントも可能です。
数千枚単位でのチラシ印刷や、図面などの大判サイズコピー&プリントにも対応していますので、持ち込みで使える印刷屋さんのような役割を果たしています。
自動でホチキス留めしてくれる高性能な複合機もありますので、非常に便利です。
特殊紙をその場で買い、オシャレに仕上げることも可能です。
もちろんコスト削減を意識してコピー用紙を自ら持ち込んだり、封筒やカードに印刷することもできるため、「こんなこともできるのかな?」というアイディアがあれば問い合わせてみましょう。
印刷したものをその場で製本したり、既に印刷済みの紙を持ち込んで製本だけ頼んだりできます。
論文・報告書・カタログ・セミナー資料・マニュアル・ノートなどに利用しやすく、下記のような製本形態に対応しています。
・くるみ製本(無線綴じ)
・ツインループ製本
・リング製本
・中綴じ製本
・テープ製本
・上製本(ハードカバー)
よくあるコピー本のようにホチキス留めだけされた本を作ることもできれば、まるで出版されている書籍のように特殊な用紙を糊付けして本の形にすることもできるため、オーダーメイド感があります。
また、こだわりに応じて箔押ししたり、スピン(紐型のしおり)や帯をつけたり、背表紙印刷したりすることも可能です。
自分だけの一冊をつくりたいときにも、会社でとにかく大量の資料が必要なときにも、自由に使えることが魅力です。
印刷したアイテムを加工できることも、キンコーズならではです。
例えば、ラミネート加工・断裁加工・ホチキス留め加工・2つ穴開け加工・折り加工・レイヤー箔加工などに対応しています。
そのため、オフィスで働くサラリーマンだけでなく、飲食店・サロン・クリニック・エンターテインメント施設などによる利用も盛んです。
大判のポスターをラミネート加工して屋外看板として使用したり、小さなポップやメニューを印刷して各テーブルに置いたり、さまざまな用途が想像できるでしょう。
ボリュームにもよりますが、最短で30分程度で仕上がります。
思いついたアイディアをその場で形にできるため、ビジネスチャンスを逃さず行動できそうですね。
コピー・プリントだけに限らず、さまざまな印刷が可能です。
例えば、下記のようなものが挙げられます。
・封筒印刷
・名刺印刷
・ショップカード印刷
・ポイントカード印刷
・メンバーズカード印刷
・会員証・社員証などプラスチックカード印刷
・案内状印刷
・地図印刷
・ポストカード印刷
・ダイレクトメール印刷
・ポケットファイル・ポケットフォルダ印刷
本来であれば印刷所と打ち合わせのうえで依頼しなければ行けないようなものでも、即日対応してもらえます。
セルフ印刷できるブースもあれば、有人窓口の係係員と相談しながたオーダーメイドで相談できるブースもあるため、印刷に詳しくない人でも安心です。
特殊な形状のアイテムにも対応してもらえますので、相談してみましょう。
キンコーズは基本的に自分で持ち込んだデザインを紙に印刷する場ですが、デザインを1から依頼することも可能です。
デザイン会社兼印刷所として使えるため、自分でデータを用意できない人にも向いています。
実際に、下記のようなアイテムをデザインした実績があります。
・PowerPoint資料
・チラシ
・カード
・イラスト
・飲食店メニュー
・パンフレット
・カタログ
・招待状
・企業ロゴ
・Webサイト
・動画
・展示会ブース
紙アイテムだけに限らず、Webサイトや動画などインターネット上でのみ閲覧するメディアや、展示会ブースのような空間デザインまで手掛けていることが分かります。
デザイナーだけでなくライターやカラーコーディネーターとも連携しているため、イメージを伝えるだけで形にしてくれることもメリットです。
キンコーズの料金は、枚数単価で計算されることが大半です。
「何を何枚どうするか」によって料金が変動するため、あらかじめ予算を立ててから実行するとよいでしょう。
例えば、社内書類・紙文書をスキャニングする場合の料金は下記の通りです。
~1,000枚 | ~5,000枚 | ~10,000枚 | ~30,000枚 | 30,001枚~ | ||
---|---|---|---|---|---|---|
納期(目安) | 1時間~即日、翌日受取り可 | |||||
基本料金/オーダー | 990円 | |||||
モノクロ | B5、A4、B4 | 14円 | 12円 | 10円 | 9円 | 8円 |
A3 | 15円 | 13円 | 11円 | 10円 | 9円 | |
はがき | 66円 | 44円 | 39円 | 33円 | 28円 | |
グレースケール | 葉書・B5、A4、B4 | 66円 | 44円 | 39円 | 33円 | 28円 |
A3・A3のび | 99円 | 83円 | 55円 | 50円 | 44円 | |
カラー | 葉書・B5、A4、B4 | 132円 | 88円 | 77円 | 66円 | 55円 |
A3・A3のび | 198円 | 165円 | 110円 | 99円 | 88円 | |
手置きスキャン(ブック原稿等) | 55円/原稿 | |||||
ホチキスはずし/戻し(原稿整理)等 | 11円/ケ所 |
図面などの大判サイズ書類のPDF化は、別の料金表が存在します。
コンビニよりは高めですが、手軽さと天秤にかければ十分元が取れる金額帯だと言えるでしょう。
次に、キンコーズでスキャニングするメリットを紹介します。
スキャニングに的を当てて紹介しますので、イメージしながら目を通してみてください。
大量の書類を一度にスキャンしたい場合、キンコーズに設置されているような業務用スキャナーを使うのがおすすめです。
家庭用のスキャナーを多くは、毎回書類をセットしなおさなければならず、膨大な手間と時間がかかります。
また、オフィスに設置されているスキャナーでも、何百枚もの書類を一括スキャンできる機能が備わっていないことも多いです。
何度も紙の差し替えをせずともスキャニングできるのは、キンコーズのようなビジネスセンターもしくはスキャニング代行業者だけだと捉えましょう。
必要に応じて、係員にスキャニングを依頼できます。
大量のスキャンが必要なため手分けしておこないたいときや、スキャナーの扱いに長けていないから全てプロに丸任せしたいというときにおすすめです。
スキャニング中の時間は自分の手を空けられるため、待合スペースで仕事をしたり他の作業を同時並行したりすることも可能です。
ただし、スキャンするものによっては対応してくれないケースもあるため注意が必要です。
特に、著作権のある書籍・楽譜・絵画・写真などは、係員がスキャニングしてしまうと著作権法に違反する恐れがあるため、基本的にキンコーズでは断られます。
依頼するのはあくまでも著作権のない書類だけに留め、見られても問題ないものだけをピックアップしておきましょう。
キンコーズには、オフィスや一般家庭には珍しい断裁機があります。
サイズを揃えて紙を一括断裁するためのツールであり、何百枚にも及ぶ書類でも簡単に刃を入れられます。
そのため、本や冊子を断裁機でバラバラにしてスキャンする、「破壊スキャン」をする際にも活用できます。
自前のカッターだけで綺麗に断裁するのは難しく、ガタガタした切り口になってデータに影を落としてしまうことも少なくありません。
クオリティとスピードを重視したスキャニングをしたいのであれば、キンコーズのようなビジネスセンターにある断裁機を使うのがよいでしょう。
スキャニングし終わった書類は、その場でシュレッダーにかけられます。
データ化して不要になった書類は速やかに破棄し、身軽になってから帰社するのがよいでしょう。
重い書類を何度も持ち歩かなくて済むうえ、重要書類や個人情報の含まれる書類も安全に破棄できます。
ただし、何百枚にもわたる大量の書類をシュレッダーしたい場合、事前に相談しておいた方がよいでしょう。
自由に使えるシュレッダー以上の大型を貸してくれる場合もあれば、書類の内容によっては有料での溶解処理を勧められる場合もあります。
無料で利用できるからと無理に処理しようとせず、周りの迷惑にならない範囲で利用していくのがおすすめです。
反対に、キンコーズでスキャニングするデメリットも紹介します。
メリットだけでなくデメリットも正しく理解しながら、ボリュームによっては他の手段を検討してみるのもよいでしょう。
キンコーズでのコピーやスキャニングは、相場より高めです。
スキャン外注業者に丸任せした場合、1枚あたり5円~が相場と言われています。
一方、キンコーズでスキャンした場合1枚あたり14円するため、3倍近い金額がかかるでしょう。
スキャニングする枚数が30,001枚以上であり最もお得になる料金プランだとしても、1枚あたり8円かかります。
B1サイズやA0サイズなど大判な書類を解像度高くカラースキャンした場合、1枚あたり10,450円と高額になるため、事前に料金表をチェックしておく必要があるでしょう。
いざというときの緊急用もしくはキャンペーンが適用されるときなどに利用する場としてはおすすめですが、常用するとコストが膨らみかねない点に注意が必要です。
キンコーズでのスキャンは基本的にセルフでおこなうため、手間がかかります。
大量かつ高速でスキャンできる機材が多いため、自宅やオフィスでスキャニングするより時間は短縮しやすいものの、それでも最低限の手間がかかることだけは了承しておく必要があるでしょう。
自社の繁忙期と重なっているときや、スキャニングに人を割く余裕がないときは、なかなか活用しづらいかもしれません。
そんなときには、スキャン外注業者を利用しましょう。
スキャンしたい書類を渡して最低限の打ち合わせを経るだけで、あとの作業を全て外注できます。
手間を減らしつつ、キンコーズでセルフスキャンするよりもコストを抑えられるかもしれません。
まずは見積もりをもらい、比較してみることが近道です。
キンコーズは、ビジネス街やターミナルステーションに多く設置されているビジネスセンターです。
スキャンだけでなく、コピー・印刷・製本・加工ができ、デザインの外注もできるため効果的に活用していきましょう。
コストと手間をさらに抑えたいのであれば、スキャン外注業者の利用もおすすめです。
どの手段が一番メリットが多そうか比べながら、判断していくことがポイントです。