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価格調査を始めるときにまずは知っておきたいネットショップのSTP分析

マーケティングは、単純な市場調査や販促活動などの狭いセグメントの活動だけではなく、商品の企画開発から販売促進、顧客管理までのビジネスプロセス全般に及ぶ広範な活動、業務、組織が影響範囲です。

詳説については、別の記事にまとめていますので、そちらをご参照頂きたいですが、これは一過性の業務、活動ではなく繰り返しサイクルを回す、よく言われるPDCAサイクルと同様、不断の努力を継続的に行う性質のものです。

レッドオーシャン化しているインターネット通信販売のような業種においては、アマゾンや楽天、ヤフーショッピングのようなマーケットプレイスに出店するにしても、競合は既に多数いますし、単純に参入しても中々成果を上げにくい状況です。

マーケティングをしっかりと理解し、念頭に置いて、価格調査も含めてインターネット通信販売におけるマーケットリサーチを徹底的に行い、自社の取り扱う商品の強味を吟味して行くだけでもだいぶ結果は異なってくると思います。

ただ、マーケティングに初めて取組むという人にとっては、何から初めて良いか分からないというのが実情かと思います。今回はそういった方々に向けてPDCAで言えば、P(Plan:プラン)、つまり計画、一番最初にやるべきことに該当する部分を2回に分けて紹介します。まずは、1回目のネットショップの「STP分析」について解説します。

STPマーケティングとは

マーケティングを全く分からないと中々聞き馴染みのない「STPマーケティング」とは何かについてまず概略を説明します。

STPマーケティングは、「近代マーケティングの父」、「マーケティングの神様」と呼ばれているフィリップ・コトラーという方が提唱した最も代表的なマーケティング手法の一つです。

マーケティングの初期段階に行う、自社ネットショップのプロダクト(商品、サービス)に適した市場、マーケットを開拓して行くために実施する分析手法のことで、その分析対象、ポイントである、「Segmentation (セグメンテーション)」「Targeting(ターゲティング)」「Positioning (ポジショニング)」の3つの要素の頭文字をとって名付けられています。

Segmentation (セグメンテーション)

マーケットセグメンテーションとも呼ばれますが、日本語にすると「市場細分化」という意味で、後述しますが、様々な区分で市場を仕分けていき、仕分けられた中から、自社ネットショップのプロダクトが適している消費者層、グループを絞り込んでいく前段階の作業です。

例えば車には様々な車種が存在しますが、大きさ、燃費、形状、価格は様々です。テレビCMなんかを見るとより分かりやすいかもしれませんが、それぞれの車種には、それぞれに適したユーザーが何となく想像できるかと思います。

高級車と大衆車、軽自動車ではCMの雰囲気はかなり違うと思いますが、これは各社がそれぞれセグメンテーションを徹底的に行い、日本市場という中でも、世代、ど性別、ライフスタイル(一人暮らし、共働き、子どもがいる世帯か等)、ニーズを徹底的に研究した結果と言えます。

区分には大きく分類すると、「地理的区分」「人口統計的区分」「社会的区分」「心理的区分」に分けられます。それぞれにはさらに様々な細かい区分が属していて、それらを複合的に、複層的に、ユーザー層やグループ、市場を細かく分類して、自社ネットショップのプロダクトが適している集団(マーケットセグメントと呼んだりしますが)絞り込んでいきます。

なお、それぞれの区分、パラメータは地理的な要素も人口統計的な要素も含んだりしますので、あくまでも目安の分類ではあります。書籍によって分類が異なっていることは侭あることですので、そこは気にせず区分する時の方向性、切り口として分類を考えていただければと思います。

地理的区分

国や地域、人口、気候、文化、慣習、宗教といった地理的な要素により市場を分類する軸、パラメータのことです。

人口、人口密度などは例えば鉄道サービスを考える時にはとても重要な要素になりますし、気候は食品やレジャーなどではとても重要な要素です。慣習や宗教もグローバルに展開することを想定すれば、宗教上の禁忌に触れないことは大前提になりますし、非常に重要な要素と言えるでしょう。

人口統計的区分

これが一番分かりやすい区分でしょう。年齢、性別、家族構成といった要素です。世代によって趣向が異なるのはよくわかることと思います。男女で傾向の異なるプロダクトというのはたくさんありますし、身体的特長からも分けて考えなければならないものはたくさんあるかと思います。

独身か既婚か、既婚でも子どもの有無でも大きく傾向は異なってくるのは分かりやすいかと思います。

社会的区分

職業、学歴、所得の多寡などによる区分です。

職業においても職業的特性からのニーズというのは発生しやすいものですし、所得の多寡によって購買力は変わってくるのは実感として理解できるかと思います。

心理的区分

価値観や性格、趣味、ライフスタイルといった個人の内面、心理的な要素による分類軸です。分類の軸としては分かりやすい区分ではあります。高級品に対する趣向は所得の多寡に関係なく価値観の違いからになりますし、着る服を選ぶ時には性格が大きく影響する場合もあるでしょう。

Targeting(ターゲティング)

セグメンテーションで細かく分類したマーケットセグメントの中から、競争優位を得られるであろう可能性の高いマーケットセグメントを選定する作業です。前節で紹介したセグメンテーションの6Rなどをしっかりと意識して、複数の区分で分類した消費者層、グループ、セグメントから参入すべきセグメント(自社ネットショップのターゲット)を抽出していきます。

この時重要な指標となるものとして、「6R」と呼ばれる指標があります。

「Realistic scale(有効な規模)」「Rank(優先順位)」「Rate of Growth(成長率)」「Rival(競合)」「Reach(到達可能性)」「Response(測定可能性)」

です。

なお、この6Rは、セグメンテーションの微細化防止という観点でも重要です。書籍によっては、そういう視点で語られることも多いものです。

セグメンテーションの段落で紹介した区分、指標となる軸は理論的には幾らでも増やすことが出来ます。ただそれは軸の増加に比例して、微細化が進むことになり、有効なセグメンテーションを行えなくなってしまう可能性があります。

それを避けるために考えるべき指標として、「6R」はしっかりと意識するべきと言えます。

Realistic scale(有効な規模)

市場規模は大きい方がよいのは自明のことでしょう。微細化してしまったセグメンテーションだと規模が不十分になってしまう可能性がありますので、注意しましょう。

ターゲティングの側面から言うと、ビジネス的にはターゲットを絞れば絞るほど成功率が上がるという側面があります。よってそのバランスが重要になってきます。

Rank(優先順位)

分類したセグメントにとって自社ネットショップのプロダクトの優先順位が高まるかどうかをしっかりと考えることが重要です。

Rate of Growth(成長率)

分類した市場、セグメントの成長性を検討することが重要です。現時点の規模ではなく、時系列で未来の市場規模を想定することも重要と言うことです。

Rival(競合)

競合相手の有無、数はもちろんですが、より地理的、立体的に考える必要があります。地理的に競合相手位の濃淡がある場合は十分に考えられますし、複合的な要素で競合の状況は変わります。

Reach(到達可能性)

分類したセグメントが有効だったとしても、ビジネス施策が届かないのでは意味がありません。

Response(測定可能性)

様々なビジネス施策が効果があったかどうかをきちんと測定できるかどうかをしっかりと考える必要があります。

Positioning (ポジショニング)

最後にポジショニングについてです。

S、セグメンテーションで市場を適切な規模で細分化し、(T)ターゲティングでどのセグメントをターゲットとするかを選定した後の工程で、ターゲットとしてセグメントに対して、自社ネットショップのプロダクトの価値を如何に効果的に伝えていくかを命題にした一連の手法や行動のことを指します。

まずはプロダクトが最終顧客に対して、どのような価値が提供できるかをしっかりと分析し、理解することがまず何よりも重要です。これをすることによってマーケットの中でのそのプロダクトの立ち位置、つまりポジションを明確にすることが出来ます。

通常、ポジショニングの分析においては、2軸のマトリクス図(ポジショニングマップ)を作成して縦軸、横軸に競合と比較する指標(例:価格と品質)を設定します。代表的な比較する軸としては、値段、品質、店舗数、販売チャンネル等です。その表の中で、自社ネットショップのプロダクトと競合他社がどの位置になるかを見ていきます。

この分析の時に、重要なことは、まず、「顧客のニーズを正確に把握できているか」「顧客のニーズのあるポジションを選択できているか」「ポジショニングマップで相関性の低い軸を設定できているか」「自社の理念や戦略と整合性がとれているか」の4点です。

顧客のニーズを正確に把握できているか

ポジショニングマップを作成する際の軸の選定で、全く顧客が重視しない要素を選択してしまうと、ポジショニングマップ上で、しっかりとネットショップの差別化が図れたとしても絵に描いた餅でしかありません。軸の選択時にはしっかりと考えて選択する必要があります。

顧客のニーズのあるポジションを選択できているか

顧客のニーズのあるポジションかどうかは、他社と完全に差別化できるとしても、そのポジションに十分な消費者層がなければ何も意味がありません。十分な需要が存在するポジションであるかどうかはしっかりと見極めましょう。

ポジショニングマップで相関性の低い軸を設定できているか

2軸の選定で、相関性の高い軸を選んでしまうと、差別化できるポイントを見つけづらくなってしまいます。価格と性能の関係が端的な例としてよく挙げられますが、性能が高くなれば、価格が高くなるのが一般的な関係性ですので、2軸に設定する意味があまりありません。それぞれ独立したパラメータかどうかはしっかりと見極めましょう。

自社の理念や戦略と整合性がとれているか

ポジショニングで分析を行なった結果が、自社の理念に沿ったものであるかどうかも重要です。既存のブランドイメージを傷つけるようなプロダクトになっていないかなどは、そもそもプロダクトを世に出すという点で考えておかなければならない項目です。

STPマーケティングの目的

ネットショップがSTPマーケティングを実施する大まかな目的は、最終的に成功する可能性を合理的に、客観的に自他ともに分析することにより取るべき戦略や方向性を見定めることで、大まかに「サービスを利用するユーザー層の把握」「サービスの強みや改善すべき点の認識」「マクロ的視点の導入」の3点に注目します。

自社ネットショップのプロダクト(商品・サービス)が獲得しているユーザー属性、グループ、マーケットを把握することで、事業戦略の大まかな方向性を考えます。

また、プロダクト(商品・サービス)の強み・課題を分析することで、ターゲットとすべきユーザー属性やマーケットとの関係性、他社と比較した時の優位性(劣位性)を把握することで、より効率的な行動、事業展開を行うことができます。

マクロ的視点を持つことで、より客観的に自社、もしくはプロダクトを見ることに繋がり、客観的な指標から合理的な判断を導き出すことができ、不必要な競合を避ける等、ロジカルな行動が可能になります。

まとめ

ネットショップのSTPマーケティングについて駆け足で見てきましたが、マーケティングの中でも代表的な手法であり、書籍でも言及しているものが多々あります。様々な文献に当たって深掘りしてみるのも面白いかと思います。

このSTPマーケティングは謂わば戦略を設定したことになります。次は、この戦略を元に具体的な戦術に落とし込んでいくことになります。それがマーケティングミックスと呼ばれるもので「Product(製品)」「Price(価格)」「Promotion (プロモーション)」「Place(流通)」の4Pに代表されます。

ネットショップのマーケティングミックスについては別の記事で改めてご紹介していきます。