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ネットショップの価格調査の結果を反映させる価格設定のロジック

20年前や30年前と比較して現在は、様々な規制緩和や技術革新、浸透によって様々な業種で参入障壁が低くなりました。中でもネットでの小売業、いわゆるネットショップと呼ばれるEC市場(電子商取引市場)の隆盛は、オークションサイトやアマゾン、楽天、ヤフーショッピングなどのマーケットプレイスなどで会社形態ではなく個人での参入も相当な規模になりつつある今、著しいという言葉では言い足りないぐらいの隆盛を誇っています。

そのレッドオーシャンと言って良いEC市場(インターネット通販市場)で競争に打ち勝つために価格戦略というのは非常に重要な要素です。取り扱う商品にユニークさが特にない場合や独占的な取扱ができないのであれば、品質は競合他社と同様であり差別化できないことになり、数少ない差別化の要素として価格というのがクローズアップされやすい特性があるからです。

そのため、インターネット通販市場において、価格調査という作業は非常に重要な位置付けになりつつあり、ネットショップ含め、プロダクト(商品・サービス)の価格調査は、BtoB、BtoCに関係なく、最終的に価格を決定する際の重要な参考指標となりつつあります。

調査した結果を基づきどのように価格をつけるべきかということもビジネスを行う上で非常に重要なプロセスですので、その価格設定、プライシングの基本的な考え方、概略についてを解説します。

価格の効果、影響

まず価格とは何かということをしっかりと見ていきます。価格には、まず消費者の目線から見た時、「支出の痛み」「品質の指標」「プレステージ性」という3つの要素があると考えられます。

支出の痛み

消費者サイドから価格というものは、「支出の痛み」の具体的な指標という要素があります。一番直感的な要素で分かりやすいものではあるかと思いますが、少し分析的にいうと、全く同じプロダクト、つまり効果、効能、品質が変わらないプロダクトであれば、価格が低ければ低いほど消費者にとっての効用が高いと言えます。

例を挙げると、全く同じリンゴが100円か500円かでは、支出の痛みは100円の方が低くなり、消費者にとってはありがたい、つまり効用が高いということです。

品質の指標

消費者から見た時、同じような効果、効能、品質に見えるプロダクトがたくさんある時に違うメーカーからそれぞれ発売されていれば、何か違いがあるかもしれないと潜在的に考えます。それがどんな違いかはインターネット、もっと言えばSNSという情報メディアによってかなり深く知れるようになったとは言え、それでもブラックボックスになって見えない情報というのは存在します。

その時に価格の情報が重要な指標として機能し、品質の優劣の判断材料としての要素が価格にはあると言えます。

過去の実績や他のプロダクトの品質の高さからの類推など、表面化していない品質を価格差で感じさせるという面があるということです。

プレステージ性

価格が著しく高い場合、その価格設定自体に希少性を感じさせる効果があります。これは歴史を重ねることによって生まれてきた高級ブランドと呼ばれるものが端的な例なのは想像がつくかと思います。価格が相当高いものを購入できるという優越感、ステータスを感じさせる要素がか価格にはあります。

価格設定の目的

価格設定には単純に利益を上げるためだけに行うとは限りません。価格設定の目的を整理してみましょう。

売上の最大化

価格設定の目的と聞いてまず最初に思い浮かべる目的でしょう。対象のプロダクトのマーケティング分析に基づいて、支出の痛み、品質の指標、プレステージ性の3つの要素のベストバランスの価格を探り当て、売上の最大化を目指すことが、価格設定の大きな目的の一つです。

市場シェアの維持、拡大

価格は支出の痛みという要素から、同じ品質であれば、価格を下げれば一般に消費者の効用が高まります。その為、その紅葉の高さを狙って、既存の市場に参入する企業が現在の市場価格より安い価格設定を行うことがあります。

この場合、利益率という点を犠牲にすることになりますが、プロダクトの出荷量が増えることによりコスト低減が実現できれば、長い目でみた時に売上や利益も増加させることができるという目論みが根底にあります。

価格の安定化

価格がもつ品質の指標やプレステージ性を意識して、価格が不安定に上下動することなく、安定化させることによって、品質にブレがないことを印象付けることで顧客からの信頼を得られるようにすることも価格設定の目的の一つと言えます。

競合への対応

同じプロダクトで後発企業が市場シェアの拡大を意図して戦略的な価格設定、プライシングを行ってきた場合、その対抗策として価格を変更することがあります。

目標利益率の達成

売上の最大化と似ていますが、売上だけでなくしっかりと利益が確保できているかというより厳密な目的です。事業の立上げ段階などでは経営の元手となる利益を重視し、目標利益率の達成を売上の最大化よりも重視することがあります。

価格設定の要素

価格を決定する重要な要素は、「コスト」「競争」「需要」の3つの要素に整理できます。ただ価格と、それら3要素は密接に相互に影響し合っている関係にあり、一筋縄では決められない複雑さがあります。

コスト

これはほぼ説明不要かと思いますが、プロダクトを生産、維持するために必要な経費の総額です。もちろん人件費や家賃なども含めたものを指します。コストを度外視した価格を設定してしまえば、構造的な赤字体質で会社の経営は簡単に傾きます。

競争

これは競合他社の動向と言い換えても良いかもしれません。新規参入する場合は、先行企業の価格、プライシングを見ながら、マーケティング分析などを駆使して、参入価格を決めたり、先行企業で後発企業が参入してきた時にマーケットシェアを維持するために、価格を変更するなどの対応を行うことになります。

需要

より理論的な経済学の考え方に近い要素で、需要と供給のバランスによって価格が変化する場合があります。典型的な例で言えば、農作物や海産物など天候に左右されて生産量が大きな幅で変わるものなどは、この需要の要素が大きく関わって価格が決まっていきます。

価格設定、プライシングの代表的な手法

価格の性質や価格設定の目的、要素をみてきましたが、より具体的にどのように価格設定を行なっていくべきかという手法について見ていきます。

価格設定の手法は、価格設定の要素で何を重視するかによって分類されることが多く、「コスト志向型」「競争志向型」「需要志向型」と呼ばれることが多いようです。

コスト志向型

これはプロダクトに掛かったコストに注目して価格を設定する方法で最も原始的な価格設定と言って良いかと思います。これは小売業などでよく見られる価格設定方法です。例示するまでもないですが、スーパーマーケットであれば、仕入れ原価が存在し、それに対して単純に一定の利幅(マークアップ)を乗せて販売するのが典型的な例でしょう。

製造業であれば、製造原価というものが存在するはずなので、その製造原価に一定の利幅(マージン)を加えて価格とする手法がコスト志向型と言えます。

その他、目標利益率から価格を決定する場合もコスト志向型に分類できます。マーケットリターン法とも呼ばれますが、例えば1000万円の設備投資を行い、1つのプロダクトを生産するコストが6円で生産できるとします。さらにこの設備で生産数として50万個、売上見込みも50万個ある想定で、投資収益率15%を設定した場合に、1000万の15%の150万の利益を出す必要があり、1個あたり3円(150万/50万個)の利益が必要になるので、価格を9円とするという考え方です。

競争志向型

競合他社の動向を見て、価格を決める方法を競争志向型と分類します。これは現在の実勢価格を見て決める実勢型価格設定が典型的な例と言えます。

プロダクトのマーケットにおけるフォロワー企業、規模の優位性もなく、品質についても優位性、独自性に乏しい企業が、「リーダー企業」、規模も大きく品質も高い企業に追随する場合などがこの型に分類されます。

その他、競合他社の価格を基準にしてそれよりも低い価格を設定してマーケットシェア拡大を意図した価格設定などもこの型に分類されます。

この型に多いのはコモディティ商品、つまりありふれたプロダクトであり、競合他社との差別化が明確ではないプロダクトです。品質や効能に差がないので、価格選考の割合が高くなるためで、他社と比較して価格が高ければ売上数は下がり、価格が高ければ売上数が上がりやすくなります。

価格の叩き合いになってしまったりすると、十分な利益がお互い出せず消耗戦になってしまいます。利益を十分に確保することを念頭に置くのであれば、脱コモディティ化という方向性は別途考えるべきなのかもしれません。

需要志向型

これは、消費者の選好を基準に価格を考える方法です。消費者、ユーザーがコスト負担に納得できる価格にするというのが基本的な考え方で、具体的には、市場アンケートなどでユーザーに買ってもらえる価格を調査したりして、価格を検討していきます。代表的な手法として、知覚価値型や需要差別型といった方法があります。

知覚価値型というのは、消費者がプロダクトに知覚する価値(カスタマーバリュー)をベースにして価格を設定していきます。カスタマーバリューは、類似商品や代替商品の価格帯から推計したり、アンケートなどの市場調査を通して、直接消費者が知覚する価値を測定していきます。

「消費者が知覚する価値」というのが少し概念的なのでもう少し解説します。消費者が知覚する便益(ベネフィットという言い方をよくされるようです)と言い換えることができ、機能的便益(ファンクショナルベネフィット)と感情的便益(エモーショナルベネフィット)の2つに分けることができます。

機能的便益は、謂わば即物的な側面を指し、プロダクトが提供する機能、つまり説明書や仕様、スペック解説に出てくる具体的な指標に近いものがあります。パソコンであればCPUの速度、搭載メモリの大きさ、自動車であれば排気量、乗員定数、広さなどです。

感情的便益は、言葉の通り、感情的、心理的な部分で感じる価値です。「楽しい」「カッコいい」などは典型的な感情的便益と言えますし、デザイン性を重視することややブランドイメージに共鳴するなども感情的便益と言えます。ファッショに関するプロダクトや化粧品などは典型的に感情的便益が重視されているプロダクトと言って良いかと思います。

需要差別型というのは、同じ効用の商品に対して、消費者のセグメントなどによって需要度が異なる場合に、そのセグメント毎に価格を設定する方法になります。分かりやすい例で言えば、大人料金と子ども料金、劇場の座席、格安航空券などがこれらに分類できる価格設定方法と言えます。

まとめ

今回は価格設定に関するのマーケティングの理論に基づいた基本的な考え方について解説してきました。

ネットショップを開業する動機は様々で、何かしらビジネスチャンスを感じて参入を志向するわけですが、実店舗営業を行うよりも参入障壁が低く、低資本で始められるところもあり、ライバルは相当いると思った方が良いでしょう。

その時、競合との差別化を図るためには、徹底的なマーケティングを実施して自他の状況を冷静に観察して感じたビジネスチャンスが正しいのかどうかの検証は必要です。その時、価格や価格設定も非常に重要な検討指標になるはずです。

非常に多く存在する競合の価格情報もとても重要です。ネットショップを開業するのであれば、始める前に価格調査を行なって分析することは必須と言って良いですし、動きの早いネットの中では開業後も競合の動きをきちんとトレースできるように価格調査を定期的に、継続的に行うことはとても重要です。

ただ小規模、いわゆるスモールスタートで始める場合が多いネットショップにおいては、中々継続的な価格調査にまで手が回らないことが多いかと思います。その時は、アウトソーシングによって価格調査を依頼することを検討してみるのが良いかと思います。

時は金なりとは言いますが、有限資源である時間をいかに節約するかは、情勢の変化がどんどん早くなる一方の現代においては、最も重要なマネージメントと言って良いかと思います。