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ネットショップ開発のプロセスでの不安とテストマーケティングの重要性

ネットショップ(新事業)の立上げや新製品の開発では、それなりの時間、資本を投入してこそ立上げ、開発が行えます。それはそれだけのリソースの消費というリスクを伴うことを指し示しています。その他にも会社の成長するかしないか、評判の毀誉褒貶も左右する様々なこのリスクが存在します。

ただリスクがあるからと言って新規開発をしないでいると、時代の流れと変化に対する対応能力が減衰していくだけになります。特に時代の流れの速さと変化のドラスティックさを考えると、減衰スピードは過去の比にならないスピードになりつつあります。

つまり会社や組織の継続、いわゆる「going concern」を前提に考えた場合、新規開発のフェーズは、企業のライフサイクルの中に大きなフェーズとして存在して、かつそのサイクルの期間はどんどん短くなりつつあるということです。

そう考えると、価格調査を含めた市場調査を含めたマーケティングの重要性はかなり高いと言って良いでしょう。ただ前提としてマーケティングも将来の確実性を担保するものではないことはよく理解する必要があります。

マーケティングはより深く分析し、行動することで、あくまで確率を上げるものである以上、実際のネットショップ事業の立ち上げや新製品の開発がマーケティングで分析した想定通りに、売上を上げるか、社会に働きかけ、存在できるのかについての不安を完全に解消するものではないということです。

残る不安に怯えるのは人情です。その為に、マーケティングで上がった確率をより一層高める方法として、テストマーケティングという考え方が考え出されました。完全にとは言えませんが、後述しますが、テストマーケティングによってより具体的に商品や価格の調査を行うことができるので、問題点や修正すべき事象を炙り出しやすくなります。

今回はそのテストマーケティングに焦点を当てて、解説をしていきたいと思います。

ネットショップ立上げや新製品成功率とテストマーケティングの定義

ネットショップの立上げや新製品開発は、冒頭に申し上げたリスクの大きさの割に新規事業の立上げ、新製品の開発の成功率というのは、思ったほど高くないのが現実です。現実的に考えれば当然と言えば当然で、新事業や新製品の開発に誰も彼も成功するとは限りません。それは世の常ではあります。

ネットショップの立上げや新製品開発の成功率という指標は基本的に企業の内部情報に依存するもので、かつ法律的に開示が義務付けられているわけではないので、データとして収集されにく面があるので、探しても中々見つかりません。

そこで、少し異なった指標ではありますが、起業した会社の年単位の存続率を見て、ネットショップの立上げや新製品開発の成功率の厳しさを推測してみたいと思います(※1)。新規事業の立ち上げについては十分に参考になる指標かと思います。中小企業庁の資料がありますので、そちらの109ページをご参照ください。

※1 起業するには、それなりに新しい着目点を活かして起業することが多いと思いますので、新規事業の立上げはもちろん、新製品の成功率にも通じるところがあると考えかもしれません

そこを見ると、世界的には、起業した会社の5年後の生存率は5割を切るというデータがあります(※2)。単純に新規事業の立上げの失敗や新製品の売上不調だけが原因とは限りませんし、ネットショップ事業部の創設には、起業と性質がかなり似通っていて比較的近い指標と考えて良さそうですが、新規プロダクトの開発は会社の起業よりは発生頻度が高いものでしょうし、当たるも八卦外れるも八卦の運任せでも成功、失敗の2択と考えると、5割でもまだ十分に高い数字なのかもしれません。

※2 中小企業庁が公表しているデータを見ると、日本だけ異なった傾向で生存率が高い状況にありますが、一方で起業率が圧倒的に低い状況にある為、一概に良い数字とは言い切れない部分があります。

実際、新製品開発に限らず、何かしら「新規」のことを考えなければならない局面、例えば影響先への企画提案などに直接関わったことのある人であれば、5割の確率は高すぎるというのが、実感でしょう。

そのくらい難しいことにチャレンジする以上、できることは何でもやるべきで、今回解説するテストマーケティングもその一つです。

テストマーケティングの定義

テストマーケティングとは要約すると、「新しいネットショップや製品が消費者にどのように受け入れられるかを測る」ことと言えます。

ネットショップを立ち上げた時、マーケティングを行なっていれば、マーケティングミックスやSTP分析などによって、そのプロダクトのターゲットや価格帯の仮説を立てているはずです。その仮説が正しいかどうかを、実際に消費者に販売するなど、市場に出してみて反応を計測していきます。

その計測においては取得可能なパラメータを見て判断していきます。例えば、売上予測、トライアル率、リピート率、採用率(長期購入者率)、購入頻度、プロダクトのイメージ、価格やプロモーションへの反応率等多岐に渡る値を使って分析していきます。ネットショップやインターネット通販のチャンネルを持っていれば離脱率やアクセスしてきたユーザーの属性なども取得できるでしょう。

もちろん消費者だけではなく流通業者に対しても調査を行うことがあります。流通業者に対しては、配荷率、棚割り、価格などが調査対象のパラメータになります。

テストマーケティングは後述する様々な方法で行うわけですが、その結果に対して冷静であることが何よりも求められます。新規ネットショップ事業や新プロダクトに関われば、その新規のものに対して情を持つことは自然の成り行きです。何とか世に出したいと思って日々精進するわけですから、主観的な判断が入りがちですが、もし仮にそうなってしまえば、テストマーケティングをしてもしなくても最終的な判断に影響しないことになってしまうので、そもそもテストマーケティングの意義が失われてしまいます。

テストマーケティングのデメリット

テストマーケティングも万能のツール、手法ではありません。デメリットもあります。まず第一に、テストとは言え実際に市場に出し、消費者に提供することになるので、新プロダクトの情報がオープンになるということです。

この情報がオープンになったことを切掛に競合相手が動くことは十分にあり得ます。テストマーケティング自体の妨害も可能性としてあり得ますし、オープンになった情報をもとに競合相手の戦略に影響を与え、対抗策のようなことを打たれてしまうこともあり、場合によっては競合相手が本格的な新プロダクトのリリースを前に競合プロダクトをリリースしてしまうことおあり得ます。

こうしたデメリットがあることはしっかりと念頭に置いておくべきでしょう。

テストマーケティングの種類

次に実際のテストマーケティングにはどんなものがあるのかを見ていきます。

テストマーケティングは、テストマーケティングする規模や手法、条件によって大きく分けて3つの種類に分類する考え方があり、それは「標準型」「コントロール型」「シミュレーション型」の3つです。

標準型

標準型テストマーケティングでは、限定した地域、大抵は2〜3都道府県ぐらいに限定して、実際に販売を行い、その反応を見るテストマーケティングのことを指します。実際に広告もその地域限定で打ち出し、本番さながらの状態での販売を行なっていきます。

真偽のほどは定かではありませんが、限定した地域というのは静岡県と山梨県が選ばれることが多く、日本のもっとも典型的な人口動態や構成になっているなんて話もあるようです。

地域を限定していること以外、ほぼ本番さながらのテスト販売なので、かなりリアルなパラメータを取得できる点が何より一番のメリットとなります。

その反面、地域を限定するとは言え、しっかりと広告やプロモーションを展開し、本番さながらの稼働が掛かることから、最も費用の掛かるテストマーケティングになります。

また完全に公開して、広告などプロモーションも限定したエリアとは言え実施するので、競合他社に情報を知られるリスクは相当高い状況です。その為、実施時期をどうするかなどの検討は非常に注意深く行わないと、競合他社の蠢動を許してしまうことになり、マーケティングで立てた仮説を崩されてしまう可能性がある点は注意が必要です。

コントロール型

コントロール型テストマーケティングメーカーや調査会社があらかじめ契約した店舗で、決められた価格や棚割り、店内ポップなど調査したい側が条件をコントロールした状態でテスト販売を行う形式のことを指します。

販売する条件、販売する店舗数、期間などをかなり制限して小規模で行うことから、標準型テストマーケティングに対して費用面で優位があると言えます。また期間も短くなる為、情報の拡散も標準型テストマーケティングと比較して危険性が相対的に低くなります。

その反面、あらかじめ条件をかなり限定していることからリアリティという点では標準型テストマーケティングには劣ります。

コンビニなどは、このコントロール型テストマーケティングを積極的に導入している業界のようです。その手法は、限定商品という形で実は一部店舗だけで提供してテストマーケティングを行うという手法です。皆さんも限定商品が近くの店舗でも取り扱っている店とそうでない店舗があるような経験があったかもしれません。

その反響を見て、全国展開を行うかを判断したり、逆に人気が出過ぎて別の悪影響、例えば品質の悪化や風評による悪化などで取りやめたりしているようです。

シミュレーション型

シミュレーション型テストマーケティングは、市場に公開するのではなく、被験者を限定して、どの製品を調査しているか複数の既製品のダミーの選択肢を用意することで、新製品を隠した状態で、調査を進めます。

まず被験者のユーザー属性をしっかりと調査を行います。ダミーの既存製品に関する把握度、認知度を含めた情報、「想起集合」と呼ばれる既製品を想起させる欲求が被験者に生まれた時にイメージする商品群、好みなどの選考度、ブランド選択時の基準となる要素、属性など詳しく調査します。

その上で、選択肢にした商品のCMを被験者に見せた上で、そのCMの信憑性や好感度、製品の購入意図などを聞き出します。

最後に模擬購買を行うことで、新製品を選択するかどうかを調査し、選択しなかったユーザーには、最後に試供品を提供することで新プロダクトを体験してもらい、後日アンケートを実施します。

このシミュレーション型テストマーケティングは、実施規模は通常30〜40人ぐらいの規模で行うことが多いので、非常に小規模です。つまり最もコストを掛けずに実施できます。また完全に様々なことをシミュレーションしているために、リアリティ性は皆無ですが、その代わり情報の秘匿性はかなり担保できます。

まず、シミュレーション型テストマーケティングは、シミュレーションなので社内で実施することが可能で、そもそも情報が漏れにくく、漏洩するとすれば被験者からですが、被験者に対して守秘義務を遵守してもらえるように進めればその辺りもだいぶ担保できると言って良いでしょう。

まとめ

今回はテストマーケティングについて解説してきました。

ネットショップの立上げや新製品の開発においては、常に売れるものなのかどうかという不安が付き纏います。どんなに時間を掛けてマーケティングによって分析して仮説を立てたところで、実際に販売するまではどこまで行っても仮説に過ぎませんので、不安が解消されることはありません。

その為、テストマーケティングという形で、実際に消費者が新プロダクトと触れ合う機会を儲けることで、生の反応を知り、そこで得られた情報や知見を新規ネットショップ事業や新製品にフィードバックしていき、最終的な判断に活かしていきます。

ただし良いことばかりではなく、新製品をリリースする前に情報を公開することになりますので、情報管理の難しさがあるのと同時に、競合他社の牽制の動きを誘発することも考えられますので、注意深く進める必要があります。

ネットショップやインターネット通販、いわゆるECの分野においても様々な形でテストマーケティングは実施されていますので、そういう分野に事業領域がある方々は、そういうインターネット領域を活用したテストマーケティングも考えてみるのも良いかもしれません。