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その文字入力作業、時給いくら?士業のための外注判断の基準

資料の文字起こしや書類の入力作業に、ご自身や職員の時間をどれだけ使っているでしょうか。「他に頼める人がいないから」「外に出すのは不安だから」という理由で、事務所の中で処理しているケースは少なくないはずです。

本記事では、士業の時間単価という視点から外注の是非を考えます。入力作業に実際どれだけの時間がかかるのか。そして守秘義務を負う立場として、どこまでを外に出してよいのか。判断の材料を整理します。

10万字の入力に、何時間かかるか

まず、作業時間の目安を確認しておきましょう。一般的な事務員が10分間に入力できる文字数は400文字程度と言われています。1時間に換算すると2,400文字です。

この前提で計算すると、10万字の入力には約41時間かかります。1日8時間を丸ごと充てても、5日以上を要する分量です。もちろん実際には他の業務と並行するため、実質的には2週間から3週間かかると見るべきでしょう。

手書き資料であれば、さらに時間は延びます。判読に迷う箇所で手が止まるためです。年代の古い書類や、クセの強い筆跡であればなおさらでしょう。

時間単価で換算すると、何が見えるか

ここで、士業の時間単価を当てはめてみます。仮に時間単価を1万円と置くと、41時間は41万円に相当します。時間単価5,000円でも20万円を超えます。

もちろん、この時間をすべて有償業務に振り替えられるわけではありません。しかし判断すべきは、その41時間を何に使うのが事務所にとって最善か、という点です。新規の相談対応、書面の作成、既存顧客へのフォロー。いずれも入力作業より単価の高い仕事のはずです。

職員に任せる場合も同じ構造です。仮に時給1,200円のスタッフが41時間を使えば、人件費は約49,200円。ここに社会保険料や労務管理のコストを加えると、実質的な負担はその1.5倍程度になります。加えて、その職員が本来担当すべき業務が滞ります。

紙の資料は、むしろ増えている

「そもそも紙の資料はそれほど多くない」とお考えかもしれません。しかし実務では、扱う紙は減っていないどころか増える局面にあります。

相続登記の申請義務化により、相続案件では過去の戸籍を遡る作業が発生します。年代の古い戸籍は手書きで、旧字体も多く含まれます。加えて2025年5月から戸籍にフリガナを記載する制度が始まり、2026年5月以降は順次記載が進んでいます。氏名の読み方をめぐる確認作業も、今後増えていくと考えられます。

税務や労務の分野でも、依頼者から届く資料の多くは紙のままです。電子帳簿保存法への対応が進む一方で、事務所に持ち込まれる原本が消えるわけではありません。

外注に出せる文書と、出せない文書

外注に出せる文書と、出せない文書
外注に出せる文書と、出せない文書

ここが士業にとってもっとも重要な論点です。時間単価の観点だけで判断すると、踏み越えてはならない線を越えることになります。

外に出すべきでないものから確認しましょう。係争が具体化している事件の記録、依頼者の同意が得られていない機微な資料、そして裁判所に提出する書面そのもの。これらは外部委託になじみません。なお当社では、裁判提出用を含む法的書類はお受けしておりません。

外注に適するものとしては、次のような資料が挙げられます。公開情報として入手した資料、依頼者名などをマスキングした記録、事務所の内部資料や規程類、研修資料、セミナーの配布物、書籍や判例集など公刊物からの引用部分の書き起こし。いずれも、そのまま渡しても守秘義務に抵触しない範囲のものです。

守秘義務と委託先管理の考え方

弁護士、税理士、司法書士、社会保険労務士。いずれの士業も、法律上の守秘義務を負っています。この義務は業務を外部に委託しても消えません。

実務上の対応は3段階で考えるとよいでしょう。第一に、そもそも外に出さない文書を区分すること。第二に、出す場合はマスキングや匿名化によって特定できない状態にすること。第三に、委託先の体制を確認し、契約で秘密保持を定めることです。

委託先を選ぶ際の確認事項としては、プライバシーマークなどの認証の有無、作業を国内で行っているか、海外への再委託がないか、作業データをいつ消去するか、事故発生時の連絡体制がどうなっているか。この5点は最低限押さえておきたいところです。

なお、依頼者情報の取扱いについては、所属する会や連合会の会規・倫理規程で個別の定めが設けられている場合があります。実際の運用にあたっては、必ず所属団体の規程をご確認ください。

小さく試してから判断する

外注に踏み切れない理由として多いのが、品質への不安でしょう。手書きの資料が正確に読み取られるのか、専門用語が正しく入力されるのか。事前には判断しづらい部分です。

この場合、まとまった量を一度に出す必要はありません。判読が難しくない資料から、少量で試すという進め方があります。仕上がりを確認したうえで、対象を広げるかを判断すればよいのです。

ただし、多くの事業者には最低発注額が設定されています。極端に少量の依頼はかえって割高になるため、ある程度まとまった単位で試すほうが合理的です。発注前に単価と最低発注額の両方を確認しておきましょう。

外注が向かないケースもある

外注が向かないケースもある
外注が向かないケースもある

公平を期すために、外注が適さない場合も挙げておきます。

まず、量が少ない場合です。数ページ程度であれば、自分で入力したほうが早いでしょう。やりとりの手間が作業時間を上回ります。

次に、内容の判断を伴う場合です。単なる文字の入力ではなく、要点を抜き出す、要約する、法的な意味を踏まえて整理する。こうした作業は専門知識を前提とするため、入力代行の範囲外です。

そして、極端に急ぐ場合です。外注には納期があります。翌日までに必要な資料であれば、社内で処理する以外に選択肢はないでしょう。

逆に言えば、量がまとまっていて、判断を伴わず、納期に余裕がある作業。この3つが揃えば、外注の効果はもっとも高くなります。

まとめ|時間の使い道を選び直す

入力作業そのものに、専門性は必要ありません。しかし時間は確実に奪われます。41時間という数字は、事務所の1週間分の稼働に相当します。

判断の順序は明確です。まず外に出せない文書を区分する。次に、残った資料の分量と納期を確認する。そのうえで、自分の時間単価と外注費用を並べて比べる。この3ステップで、答えはおおむね見えてくるはずです。

外注時のセキュリティの考え方については、「データ入力の外注はセキュリティが不安」という方への記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

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文字入力.com「ビーアウト」は、プライバシーマーク認定企業として書類のテキスト化を承っています。作業はすべて国内で実施しており、海外への再委託は行っておりません。日本人スタッフが1文字ずつ手入力するため、年代の古い書類やクセのある手書き文字にも柔軟に対応できます。

料金は活字原稿が1文字0.4円〜、手書き原稿が1文字0.8円〜。10万字であれば活字で40,000円からとなります。納品形式はテキスト(.txt)またはWord(.docx)で、ファイル名や入力項目の指定にも対応いたします。ミニマムチャージ(最低発注額)は30,000円です。

なお、裁判提出用を含む法的書類、および解読不能な手書き文字についてはお受けしておりません。対応可否のご判断が難しい場合は、事前にご相談ください。「まずは一部の資料で試したい」という方も、お気軽に文字入力.com「ビーアウト」までお問い合わせください。原本のスキャニングのみのご依頼は、スキャニングサービスでも承っております。

 

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もし、御社の社員やスタッフがパソコン・アイパッド・コピー機・スキャン機などを使った単純作業を行う場合、その作業に掛かるコストを「時給と作業に掛かった時間(残業時間を含む)」だけで計算しているかもしれません。しかし実際には、スタッフを募集・採用・教育する際にかかるコストや労務管理コスト、その他社会保険や賃料などを考えると、少なく見積もっても1.5倍ほどのコストが会社に掛かっています。

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