アンケートを実施する上でのちょっと面白い注意点2

2019/10/10
  1. 今回の記事のタイトルは『アンケートを実施する上でのちょっと面白い注意点2』です。
アンケートを実施する上でのちょっと面白い注意点
前回の記事ではアンケートに回答してくれる方のバイアスをご紹介しました。今回はアンケートを実施する側がデータを扱う上で犯しやすい錯誤について面白い事例を持ってご紹介できればと考えます。    

アンケートをなんのために行うのか。

これはとても大事なことです。何について知りたいのか、そしてそれを知ることが何かの成果に繋がるのか、アンケートを行う前にしっかり目的意識を持つ必要があります。 ただ漫然とデータを収集するだけでは、アンケートはなんの役にも立ちません。特に大事なことなので二回言いますが、 アンケートで何が分かれば、どう行動して、どのような成果が期待できるのか。 という点を意識しておく必要があります。答えを出すことによって次の行動の指針にできるようなアンケートこそが行うべき生産性のあるアンケートだと言えます。         例えばアンケートの結果、 暑い日と比べて寒い日の方がおでんが売れている という知見を得られたとしても、自分が車屋だったらそのアンケートは役に立ちません。それにおでんを売りたいからといって気温を下げることはできませんよね。 そのアンケートで集まったデータで何を知りたいのか、分かった知見が何の役に立つのか。   アンケートをとる上で目的意識は大変大事ですよね。 どれだけたくさんのデータを集めても、目的意識がなければ役に立ちません。 ではデータと目的意識さえあればアンケートは成功するのかというと、必ずしもそう上手くいくわけではありません。 それではデータの分析の際に見落としやすいポイントについて、一つ例を追ってみていきましょう。    

ウォルド博士のエピソード

これは第2次世界大戦の時の話になるのですが、エイブラハム・ウォルドというハンガリー出身の博士が軍の要請を受けて爆撃機の装甲を厚くすることになりました。データは揃っていました。アメリカ空軍が一生懸命、無事に帰還した爆撃機の破損状況を調べていたからです。何せ命が掛かってますから必死でデータを集めたのでしょう。その被弾状況を表した図が上のような感じでした。 軍関係者は弾痕の多い部分に装甲を貼ろうとしたのですがウォルドは止めたそうです。いったいなぜか、分りますでしょうか? 答えは“弾痕のないところに弾の当たった飛行機は基地に帰ってこれなかったから”なんです。撃墜されていたんですね。 この逸話は『生存者バイアス』の例によく使われます。撃墜された飛行機の被弾状況も確認しなければ、出撃した飛行機の帰還率について正しいデータは取れませんよね。 この件についてはウォルド博士の助言を受けて、装甲は被弾していない部分に重点的に貼られたそうです(よかったよかった)。 私たちもこの例を教訓にこれからアンケートを行う際には、アンケートに答えてくれなかった層にも注目した方が良さそうです。ひょっとするとこれまで聞き漏らしていた新しい発見やビジネスのチャンスが眠っているのかもしれません。 そうやって集めたデータはぜひデータ入力代行業者にお任せください。