テープ起こしを実際にやってみるとわかること

2020/03/24
テープ起こしとは耳で聞いた音声を文字に起こす仕事です。未経験の方からすれば単純な作業というイメージがあるかもしれません。 「文字を起こすだけだし、タイピングも自信があるし…」 しかし実際に作業に掛かってみると、コレが意外に難しい作業であることに気付かされます。  

思った以上に時間のかかる作業

作業者のタイピング速度にもよりますが、比較的ゆっくり喋っている場合でも、話すスピードというのはタイピングと比べてとても速いことに気付かされます。 流れている音声と同じスピードでずっとタイピングをし続けるのは不可能に近いために、テープ起こしの作業では何度も音を止めながら進めていくことになります。すると必然的にテープ起こしにかかる時間は音声の録音時間よりもはるかに長くなってしまうのです。    

テープ起こしがスムーズに進まない理由

話者の話すスピードが速いこと以外にも途中で音を止めなければならない理由はいくつかあります。 例えば音声データの質がよくない場合。話し声がとても小さかったり、雑音が大きすぎて聞き取るべき音声がかき消されていたりするような状態では、何度も繰り返し聞き直す必要があるために時間が掛かってしまいます。 たとえ録音音声の音質がクリアだという場合でも、話す内容によっては時間が掛かってしまいます。耳慣れない専門用語が多い場合や、話者同士で暗黙の了解を前提として略されている単語などは、文脈から読み取ってその意味を類推する必要があるために大変時間が掛かってしまいます。 その他には話し手がおそらくボディランゲージを用いて内容を伝えている場合など、話し手の喋っているときの状態を察しなければ単語の意味が掴めない状況があるために、ただ流れてくる音を拾うだけでは読みきれないという場面もありました。        

スピードアップするために便利なソフト

CasualTranscriberというソフトがオススメできます。まず大きな特徴として、無料のフリーアプリであるという点があります。開発者は日本の方なのでマニュアルも日本語です。また「mp3」「m4a」「wav」といった幅広い音声規格に対応している点も利点の一つです。動画規格の「mp4」にも対応しています。 さらにテープ起こしには必須である再生速度調整機能と数秒単位の巻き戻しボタンもあるのも嬉しいところです。 UIも音声プレイヤーとテキストの打ち込むスペースが1画面に収まるようになっているのでいちいちタブ切替をクリックする必要もありません。もしもご自身でテープ入力をしなければならない場合などにはご活用ください。  

最後に

会社の会議の議事録や学校での講義などでは必須とも言える文字起こし作業。しかし簡単に見えて意外と時間が掛かってしまいます。もしも時間に余裕がない場合などにはぜひ作業に慣れた専門の代行業者をご活用ください。