スキャンして書類を電子化する際は、法律に関係する書類をどう扱えばよいか理解しておくのもポイントです。
法律に関係する書類の扱いに関して重要となるのが、「電子帳簿保存法」です。電子帳簿保存法では国税関係の書類電子化に関する決まりが記載されています。
今回は電子帳簿保存法の基本が知りたい方向けに、その概要や適用を受けるメリットなどをご紹介していきます。
適用範囲が改正とともに拡大!電子帳簿保存法とは
電子帳簿保存法とは、国税関係の帳簿類などの書類を電子データで保存することを認める法律です。成立当初は法律の適用を受けるための条件が厳しく、利用している企業が少ない状況でした。
しかしまず2005年の改正で、書類をスキャンして保存する方法も許可されるようになり使いやすくなりました。そして2016年や2018年にも改正が行われ、現在では電子署名なしでスキャン保存ができるようになり、専用のスキャナーだけでなくスマートフォンといった機器で撮影したデータも書類として認められるようになっています。
さらに2020年4月には、一定の条件をクリアしたキャッシュレス決済を使った場合領収書原本を保存する必要がなくなっています。従来は7年間領収書を紙の状態で保存しておく必要がありましたが、普段キャッシュレス決済で備品などを購入している場合は紙の保管で手間取るリスクが減りました。
紙保管のリスクを低減!電子帳簿保存法のメリット
電子帳簿保存法の適用を受けると次のようなメリットがあります。
紙の保管における情報損失リスクや保管コストなどがなくなる
紙で各書類を保管していると、
- 火災といった災害で情報が損失してしまう
- 書類が貯まれば貯まるほど整理やスペース確保などにコストが発生する
といったデメリットがあります。
しかし電子帳簿保存法を適用した書類を電子化すれば情報が損失してしまうリスクを減らせますし、整理整頓やスペース確保なども必要ありません。電子データとして書類をいつでも検索できるようにデータベース化するだけで利用できるようになります。
ペーパーレス化推進により業務効率化にも効果がある
いくら社内書類をスキャンして電子化できても、国税関係の書類などが電子化して保存できなければ効果は限定的です。しかし電子帳簿保存法の適用を受けることで社内で電子化できる書類の数が広がります。
電子帳簿保存法の適用だけでは不十分ですが、他法律も駆使しながら上手くペーパーレスを当たり前の状態にすれば業務効率化が実現します。
DX実現にも効果あり
ペーパーレスを組織内で完全に浸透させれば、いろいろなシステムで書類データを活用できる基盤ができ上がります。そして最終的には組織自体もデータ活用で動くような「DX(デジタルトランスフォーメーション)」も実現できるでしょう。
DXを実現する一歩としてまずは社内の完全ペーパーレス化を目指してみてください。
まとめ
今回は電子帳簿保存法とは何か、そしてそのメリットを説明してきました。
電子帳簿保存法を利用すれば、国税関係の書類も電子化して管理できるようになります。紙で管理するデメリットを減らしながら、ペーパーレスによるDX化にも効果を発揮するでしょう。
ぜひ電子帳簿保存法の詳細についても理解して活用できるようになってみてください。