目次
試行回数が多いため必然
売れる営業は純粋に訪問回数、アプローチの回数が多いです。打率2割のバッターでも20回打席に立てば10回しか打席に立たない3割打者より多くのヒットが打てます。営業は一部確率論というところもあるので、チャレンジの回数を重ねることによって、YESがもらえる件数も増えるのだけれど、並行してNOをもらってしまう確率も増えてしまうということです。また沢山の失敗を重ねることはそれだけ場数を踏むことなので、その分だけ成長できます。 しかし断られるのは怖い。どうすれば断られても次に向かえる勇気を持てるのでしょうか。そこで紹介したいのが『アドラー心理学』です。嫌われる勇気を持つには
アドラー心理学とは自己啓発の父と呼ばれる世界屈指の心理学者アルフレッド・アドラーが提唱した心理学です。このアドラー心理学をまとめた『嫌われる勇気』という本は2013年に出版されて大ヒット。本の売れない時代に200万部以上も売れました。 そのアドラーの語ることには『人の行動はすべて目的論』だということです。原因論の否定、すべて目的論
原因論や目的論とかってちょっと難しいように聞こえますが、簡単に言ってしまえば人の行動っていうものに実は原因なんかなくて、あるのは目的だけなんだよということです。
多くの人が人間っていうのは何か原因があるから行動すると思っているんですが、実は我々人間の行動に原因なんかなくて、目的があるから行動してるんだ。
という話なんですけど分かりにくいのでちょっとわかりやすいように具体例をあげてみます。
例えばあなたの会社である新入社員が上司にめちゃくちゃ怒られている怒鳴られているとします。
その場合その状況を見てどう思いますか? おそらく多くの方は「あの若手の子がミスっちゃったからあんなに上司は怒ってるんだろうな」と思いますよね。
上司が怒っているのは何か若手のミスがあったからだとか何か原因があった
から、上司は怒鳴るという行動を起こしているんだ。
と大半の人はそう捉えてしまうわけなんですが、それをアドラー心理学は否定するんです。
アドラーの考える目的論はこうです。
その上司が怒鳴っているのは実はその若手がミスしたからという原因があるからではなくて、それとは別に目的があるからだ。
その上司がどんな目的を持っているかと言うと、若手が今後自分に歯向かうことがないようにしたいとか、俺たちの間には上下関係があって、その上下関係を若手に見せつけたいなどの目的です。
そんな目的があるからこそ上司は怒鳴っているんだ、とアドラー心理学では捉えます。
一見奇妙な感じがすると思うけど、よくよく考えてみると確かにこの目的なんて正しいかもなって思えます。だって同じようなミスでもすごい剣幕で怒る人もいれば、冷静に注意して終わりという人もいますよね。
つまり原因であるミスの大きさは変わらなくても、相手を威圧したいという目的がある人は怒鳴りますし、一方でまあ別に今後ミスが起きなければいいかなという人は別に声を荒げたりしないんです。
ここからも分かるように人間というのは原因ではなく目的が行動を決め
ているとみることができます。
課題の分離
もうひとつのアドラー心理学のポイントは課題の分離です。
要は自分がコントロールできることだけは一生懸命やって自分でコントロールできないことは考えることさえするなということです。
『馬を水辺に連れて行くことはできるが水を飲ませることはできない』
これはつまり馬に水を飲ませたいと思った時に馬を水辺に連れて行くことは自分の課題としてできることですが、水を飲むかどうかは馬の課題ということです。
つまり馬の課題は他人の課題であって自分にはコントロールできない課題なので、気にするなということです。