経理はバックオフィス業務なのでパソコン作業が多く、一見テレワークがしやすそうな業務に見えます。実際テレワークを進めるのに必要なITと経理の相性はよく、経理は最もテレワークが実現しやすい業務の1つといってよいでしょう。
ただし実際には、経理のテレワーク化はあまり進んでいません。紙の書類に頼るという風習がまだ根強く残っているのが原因です。
今回はデータから経理のテレワーク実行の具合を確かめるとともに、経理をテレワークするために確認すべきポイントも解説していきます。
毎日テレワークできている経理担当者は20%以下!!データを見てみよう
経理におけるテレワークの進み具合については、「MF KESSAI株式会社」が詳細なデータを公開しています。
データによると
- 毎日(週5日)テレワークができている経理担当者は17%
- そもそもテレワークを実施していない割合は50%
- 決算対応や請求書作成などで出社しないといけない人員が多い
という結果が分かっています。
毎日テレワークができている経理担当者がわずか20%未満という結果だけでなく、テレワークを実施していない割合が半数に上るのもポイントです。ITと経理の相性がよいのにもかかわらず、実際にはまだ紙の書類に頼っており出社機会が多い現状が浮き彫りになりました。
調査期間が2020年4月17日~21日と1年以上前のデータになるので、現在では状況が変わっているかもしれません。しかしテレワークを経理分野で実施拡大するのにはまだ時間が掛かりそうです。
まずはペーパーレス化を!経理でテレワークを実施するためのポイント
記帳といった各経理作業をテレワーク化するためには、次のポイントを踏まえましょう。
ペーパーレス化を推進する
データを見ると紙の書類がテレワークの足かせになっているのが分かります。とうことは紙をデジタル化してペーパーレス化を進めれば、テレワークを当たり前の環境にできる準備が整うでしょう。
詳しいペーパーレス化のメリットなどについては下記ブログを参照してみてください。
記帳代行を依頼する際も重要!自社の書類をペーパーレス化しておくメリット
ペーパーレス化によって業務効率化やコスト削減などが実現しますし、「DX」へ一歩近づきます。ただし法律的に完全にペーパーレス化できない書類もあるので注意しましょう。
社内の風土をDXに適したものへと変革する
「書類は紙で管理するもの」といった古い風習が経理のテレワーク化を邪魔する原因になります。将来的にDX化を進めるには、テレワーク実現も含めて柔軟な対応ができるように社内風土を改革する必要があります。
社内にDX専用の部署を設けて改革を進める手もありますが、形骸化して実際には何のDX効果も発揮できていない部署にするのは避けましょう。
各ツールを導入する
経理のテレワーク化には、
- 経理計算を会計クラウドソフトで自動化
- 進捗をタスク管理ツールで把握
といったように、各ツール導入で作業をリモート化する必要もあります。
単にツールを導入するのではなく、自社の課題に応じてどんなツールが必要なのか予算と相談しながら決めるのがコツです。
まとめ
今回は経理におけるテレワーク進捗具合と、経理でテレワークを進めていくコツをご紹介してきました。
テレワークは残念ながら、経理分野で広がっていません。しかし自社でツール導入といった手法でいち早く経理のテレワーク化が進められれば、他社に差をつけるチャンスとも言えます。
また経理のテレワーク化は、記帳代行を依頼する際も重要です。社内の書類をテレワーク用にデジタル化して、記帳代行もスムーズに依頼できる体制を整えてみましょう。