価格調査にも関係するスイッチングコストの解説!安いだけでは消費者に刺さらない

2021/09/10

ネットショップにおいて価格調査を行い、高過ぎず安過ぎないちょうどよい価格を消費者へ提示するのは重要です。しかし消費者は価格だけでほしい商品を選びません。「スイッチングコスト」という概念を理解しておかないと、競合に商品販売で負けてしまう危険もあります。

今回はスイッチングコストとは何なのか、ポイントを解説していきます。

金銭・物理・心理の3つへ分けられる!スイッチングコストとは

スイッチングコストとは、「消費者が商品やブランドを切り替える際に発生するさまざまな負担」を指します。ここで言う負担は

  • 金銭
  • 物理
  • 心理

の3つになっており、価格だけに限らない総合的なコストで決まるのがポイントです。

金銭

商品やサービスを切り替える際に掛かる金銭的な負担です。

たとえば

  • 今まで使っていたAのサービスは年額5万円
  • これから検討しているBのサービスは年額5万5,000円

だとします。

この場合AからBへ切り替えると、年額5,000円が追加コストで掛かってくるのでそれだけの価値を見出せるかがポイントになってきます。

物理

購入前後で発生する行動や時間に対して掛かるコストです。

たとえばネットショップで冷蔵庫を購入する場合、まず商品を選んでカートに入れて決済手段を選択、購入を完了させる必要があります。その後商品を受け取り指定の場所へ設置し、マニュアルを読んで使い方を理解しないといけません。一連の手間は冷蔵庫を買い替えしなければ必要ないわけです。

物理的コストが低いとスムーズに導入して使えるので、競合より販売面で差別化ができるでしょう。

心理

心理的なコストはブランド力が大きく影響しています。

消費者にとって

  • ブランド力の高いA
  • ブランド力の低いB

という2つの商品がある場合、スイッチングコストが高くなるのはAのほうです。Bは価格面などで合意できればそこまでファンではないのですぐ乗り換えられますが、Aはブランド自体が気に入っている、つまりファンなので簡単には切り替えたいと思いにくいからです。

上手く価格調査を行いながら、スイッチングコストを調整しよう!

価格調査を行って商品の価格決めができるようになったら、スイッチングコストにも目を向けてみましょう。たとえば物理コストも低くすれば競合から商品を切り替えてもらえる可能性がさらに高くなりますし、ブランド情報を発信して商品のファンを増やせばあえて心理コストを高くして商品から離脱する状況を防げます。

上手くスイッチングコストを調整して有利なマーケティングを展開していきましょう。

まとめ

今回はスイッチングコストについて解説してきました。

消費者が商品を購入する際は、金銭面だけでなく物理面や心理面でスイッチングコストを考えています。競合から乗り換えてほしい際はスイッチングコストを低くしながら、その後の離脱を防ぐためにスイッチングコストを高くしましょう。

もちろん適切な価格調査もスイッチングコストに影響します。必要な際は作業代行も検討しながらスイッチングコストを調整してみてください。