個人事業主として働いている場合、「事業主貸」と「事業主借」については絶対に知っておく必要があります。しかし企業では扱わない項目であり、いまいちイメージがわかない方も多いと思います。
事業主と付いているこの2項目は、「プライベートのお金をビジネスと関与させた際に使われる」という点で一致しているのがポイントです。
今回は個人事業主の初心者として確定申告を行う方へ向けて、事業主貸と事業主借、両者の違いを解説していきます。
プライベートなお金とビジネスのお金で発生した流れで分けられる!事業主貸と事業主借の違いとは
ここでは事業主貸と事業主借の違いを解説していきます。
ビジネスのお金→プライベートのお金は事業主貸
事業で稼いだお金を外食や欲しかった洋服など、私的なお金として使う場面は個人事業主として運営を行っている場合珍しくありません。事業のお金を私的なお金として使った場合、経理上では事業主貸、つまり事業主がプライベート用にお金を貸したものとして処理されます(自分で自分にお金を貸すというのもおかしな話ですが)。
プライベートのお金→ビジネスのお金は事業主借
個人事業主として働いている際、「事業用の資金が不足していて、自分の生活用口座から必要な費用を充当した」という場面が発生する可能性もあります。プライベートなお金をビジネスの資金として利用した場合事業主がお金を借りる、つまり事業主借に該当します。
- ビジネスの資金から貸す:事業主貸
- ビジネスの資金を借りる:事業主借
という風に覚えておくと混同しにくくなるでしょう。言葉が似ているので事業主貸の説明を事業主借のものと勘違いする、といった場面を避けてみてください。
事業主貸と事業主借は、貸借対照表を作成する際に必要
事業主貸と事業主借を記載する必要があるのは「貸借対照表」を作成するときです。
資産の部に事業主貸の合計額、そして負債・純資産の部に事業主借の合計額を記載していきます。ちなみに両者の記載は期末(12月31日時点)での額だけで大丈夫です。
ちなみに事業主貸と事業主借は、個人事業主の資本金ともいえる「元入金」の計算にも活用します。
翌期首の元入金=前期末の元入金+青色申告特別控除前の損益+事業主借-事業主貸
で翌年度期首の元入金が算出可能です。そして事業主貸と事業主借は翌年度の元入金計算が終わった時点で消滅する(元入金の中に入る)ので、翌年度以降には持ち越されないのもポイントになっています。
まとめ
今回は事業主貸と事業主借の違いを解説してきました。
事業主貸や事業主借を含め、確定申告の計算はややこしいです。「確定申告より自分の仕事に集中したい」という方はぜひ業者に依頼を掛けてみてください。
実際の申告は自分で行う必要がありますが、複式簿記での内容記載や申告書に必要なデータの取りまとめなど面倒な作業を一括して引き受けてくれます。気になる方は弊社でも記帳代行依頼を受け付け中ですので、ぜひお問い合わせください。