元入金って何?記帳代行を依頼する個人事業主は絶対に理解しよう

2021/03/23
個人事業主として物を販売する、あるいはフリーランスとなって個人事業主として働く、という事例は増えてきています。 個人事業主として働く際に壁になるのが経理です。中でも「元入金」は個人事業主限定の独特な項目なので理解できていない方も多いでしょう。元入金についてしっかり理解できれば、事業規模が大きくなって記帳代行を依頼する際にも役立ちます。 今回は個人事業主として働き始めたばかりの方へ向けて元入金とは何か、そして理解するためのポイントを解説していきます。

個人事業主の元手になる資金!元入金とは

元入金とは簡単に言うと、「個人事業主版の資本金」です。 会社を立てる際には必ず資本が必要になります。法律の改正により必要な資本金は1円からでOKになりましたが、それでも資本金が0円の会社はありません。 個人事業主も同じです。個人事業主が利益を挙げるためには、設備を整えて仕事ができる環境を整備する必要があります。個人事業主は元入金から設備などの費用を出して事業を行っていくことになります。

資本金とは違う部分も多い!元入金を正確に理解するためのポイント

元入金は企業の資本金と同じような扱いですが、変動が起きやすいなど違いも多いです。違いを理解しながら正確に元入金を理解していきましょう。

確定申告では期首と期末だけの計算になる

確定申告でバランスシート(貸借対照表)を出す場合、元入金も算出して記入する必要があります。 ただし元入金については
  • 期首(1月1日時点)の金額
  • 期末(12月31日時点)の金額
の2種類だけを記述すれば大丈夫です。

事業主借と事業主貸がかかわってくる

資本金は基本誰も手を出しませんが、元入金は個人で自由に操作ができます。具体的にはプライベートの口座とビジネスの口座間でやり取りがあると元入金が変動します。 プライベートの口座からビジネスの口座へお金を振り込んだ場合、そのお金は「事業主借」として算出する必要があります。またビジネス口座からプライベートの口座へ入金した際は「事業主貸」となり、事業主借と同じく算出して後ほどの計算に使うのがポイントです。

計算結果によって金額が大きく変動する

資本金の場合は増資や減資がない限り金額は変わりません。しかし元入金は
  • 前期末の元入金+青色申告控除前の所得+事業主借ー事業主貸
で計算されます。つまり所得とプライベート、ビジネス口座間のやり取りによって金額が毎年大きく変動するのが特徴です。

まとめ

今回は元入金とは何か、そして理解するためのポイントを解説してきました。 元入金は個人事業主の経理で計算の必要がある項目です。もし記帳代行に依頼を行うときが来ても、スムーズに依頼を行い納品物を活用するためにも元入金周辺の知識をしっかり頭に入れておいてください。